慰安婦問題と自主国防論

昨年末の慰安婦問題合意を契機として、日本外交に対する興味と関心が高まり、様々な議論が起きている。韓国自体は、韓国に進出した経営者以外の日本人にはどうでもいい国であり、論ずるに値しない国なのだが、日本人が日本外交に目覚めることは非常に良いことであり、大切なことである。よって、今回は、日本の国益という観点から、日本外交のあるべき姿勢について考えてみたい。

【なぜ今、日韓慰安婦問題合意なのか】

なんの前触れもなく、唐突に行われた歴史的な合意。
特に日本にとっては、これまでの政府見解を超え、価値観の転換とも言える内容を含むものでした。何故今なのか。マスコミやコメンテーター、そして多くの人は、口を揃えてこう言うでしょう。「アメリカの圧力だ」と。

【日韓慰安婦問題合意の損得勘定】

この合意で、日本が得た物、そして失ったものは何でしょうか。
総合的に考えた場合、日本は失ったもののほうが大きいと言えます。
今回、安倍総理は、韓国側に譲歩して、韓国側に出された三条件である
①日本政府は、慰安婦問題における日本軍の関与と、国家としての責任を認めること。
②安倍総理は、日本国の責任を認め、そのことを明確な言葉で謝罪すること。
③国家の関与と謝罪の証として、国費から資金を拠出して、賠償責任を果たすこと。
一つたりとも認めてはいけない、これら全ての売国条項を、安倍総理と日本政府は認めてしまいました。

日本が得た物は、アメリカの歓心のみです。
では、日本が失った物は、何でしょうか。
日本が失った物は、海外からの信頼と尊敬であり、国家としての尊厳です。

こちらをご覧下さい。

AJCNレポート: 海外メディアは慰安婦問題日韓合意をどう報じたか? -日本人が知らない歴史戦完敗-
jcnsydney.blogspot.com.au/2016/01/ajcn_8.html

「日韓合意を懸念するNY在住邦人から安倍総理大臣へ宛てた公開質問状」
http://nadesiko-action.org/?p=9508

これらが、今回の合意によって失ったものの大きさなのです。

【今こそ求められる国益外交】

日本人は元々、なるべく波風を立てないように、出来るだけ周囲との協調を重視する民族です。
そのために、したくもない譲歩を、過去幾度も繰り返してきました。今回の合意も、そうでしょう。しかし、世界ではそれは通用しません。言うべきことをキチンと言わないと、黙認している、認めている、と捉えられるのが国際社会です。政府もこれからは、日本の見解や意向というものを、国際社会に対して大々的に発信して行く必要があります。

【立ちはだかる障害】

しかし残念ながら、事は簡単ではありません。
なぜなら、日本政府自身が、『不可逆的な最終合意』に縛られてしまっていますし、日本人の多くも、「とりあえず、仲良くすることは良いこと」と賛成してしまっているからです。
その上、「安倍総理の替わりはいない。安倍総理への批判は、中国など他国を利するだけの反日行為であり、アメリカとの関係を悪化させるものだ」「今回の合意は、アメリカが担保しているから安心。何かあればアメリカが出てくるし、アメリカの顔を潰すような事は出来ない」などと無条件に安倍総理を持ち上げ、政権を擁護し、当たり前のように米国従属を説く人々が、特に政治家や言論界・マスコミ界に多数存在するからです。

【終わらない戦後レジーム】

日本が先の大戦で敗戦してから、今年で71年目になります。
その間、日本外交を語る時に常に言われていたことが、アメリカとの協調の必要性であり、常に存在し続けたのが、駐留米軍です。
『戦後レジームの脱却』を掲げた安倍総理ですが、やったことは、軍事費を増大させてアメリカの兵器を買いまくり、戦後レジームの象徴である駐留米軍に、『思いやり予算』という名の貢物を増やしたことだけです。

【問われるアメリカの対日防衛観】

巷で当たり前のようによく言われているのが、「何かあれば、アメリカが守ってくれるから、日本は大丈夫」「アメリカが日本を見捨てるなんてことは、有り得ない。もしそんなことをすれば、アメリカは世界中の信用を失う。」
果たして、本当にそうでしょうか。

【アメリカの真意】

では、アメリカの真意は、どうなのでしょうか。
こちらをご覧下さい。

〈機密解除〉米政府の外交文書でわかった
「在日米軍は日本防衛に直接関与しない」
9321.teacup.com/sinpo/bbs/1928

そして、アメリカが同盟国を裏切って、同盟国の敵国と手を結んだ事例もあります。
それも、50年や100年も前の話ではありません。今現在、起こっているのです。
まずは、こちらをご覧下さい。

サウジとイラン、中東を揺るがしかねない対立の歴史
thepage.jp/detail/20160113-00000004-wordleaf?page=1

中東大戦争は起こりうるのか?
米国の変心で表面化する、対立の歴史
diamond.jp/articles/-/84713

アメリカは長年の間、中東きっての同盟国であるサウジアラビアの反対を無視して、サウジアラビアの宿敵であるイランと手を結びました。これからイランは経済制裁が解除されて世界中との取引や交易が再開されます。原油の輸出も堂々と大規模に行えますし、イラン経済がこれから上向くのは確実と見られています。しかも今は、原油価格が暴落してサウジが経済的に苦しんでいる真っ最中です。イランの原油が世界に出回ることで、更に原油価格暴落が加速し長期化する可能性があります。
まさにアメリカは、長年の同盟国を足蹴にし、引導を渡したも同然の、酷い仕打ちをしたのです。日本が例外で、サウジの二の舞いにならないと、どうして言えるのでしょうか。

【アメリカの対日観と対日政策】

それでは、アメリカの真意は、そして対日政策は、どのようなものだったのでしょうか。
こちらをご覧下さい。

『アメリカに潰された日本の航空産業の発展』

昨年の暮れ近く久し振りの国家的快挙として日本製のジェット旅客機MRJが誕生した。慶賀に堪えないが私自身にはいささかの不満がある。世界全体の需要からすれば本来ならばかつて活躍したYS11よりもう一回り大きな中小型の旅客機を作るべきだった筈だ。

私は知事在任中アジアの大都市のネットワークを造り毎年一度の国際会議を催していた。アジアの大都市間で協議統合すべき問題は多々あるが、実は本当の密かな狙いは航空機を製作出来る能力を保有している国同士の連帯で一番需要の高い中小型の純アジア製の旅客機をなんとしてでも作り世界に飛ばしたいという念願だった。

飛行機を作る可能性を保有する国は日本の他にすでにジェット戦闘機を製作している会社ハルを所有するインドや私と同じ試みで施策を試みていたバンドンに本社を持つインドネシアの会社に加えて航空機に不可欠な部品を製作可能な台湾まであった。そのサイズの飛行機なら日本からアメリカやヨーロッパまで飛ぶ必要はなく、せいぜい東南アジア圏内を飛び回れればいいのだ。インドのような亜大陸でも未だ国内の行き来にジャンボのような大型機での往来のニーズには至っていないから中小型機の方が需要が高いし、発展の可能性を秘めているアセアン諸国間の行き来にも適しているはずだ。ということで大都市ネットワークの本会議とは別にそれぞれの国の航空関係者の別個の会議を頻繁に持つことにしたが集まった専門家たちの全てが私の提案に大賛成だった。インドネシアの会社のごときは同じ発想で新型旅客機の製作に手をつけていたがアメリカの強い横槍で計画は潰され訪れたバンドンの本社の前庭には完成されるはずだった新型機の外形だけのドンガラが飾られていたものだ。

http://www.sankei.com/premium/news/160118/prm1601180010-n1.html
http://www.sankei.com/premium/news/160118/prm1601180010-n2.html
http://www.sankei.com/premium/news/160118/prm1601180010-n3.html

という経緯もあって日本の官僚たちはアメリカに気兼ねして新しいアジア製旅客機のサイズを縮小させてしまった。今回の経緯を目にして、私が思い出したのはかつて日本製のYS11が思惑が外れて生産継続が挫折したいわれは、YSの性能の良さとその売れ行きを懸念したアメリカが東南アジアで手を尽くして日本製飛行機の販路を潰したというまぎれもない事実だった。そのつぶさな実態を私は当時、商社丸紅のインドネシア支店長をしていて、後には社長になった同窓の親友鳥海からつぶさに聞かされていた。その作業に暗躍していたのは他ならぬロッキードスキャンダルで表にたったコーチャンとクラッターなどという手合いだったそうな。

自動車での競争で日本に敗北したアメリカは太平洋戦争の緒戦での日本製のゼロ戦が、ドイツが自慢のメッサーシュミットが撃ち落とせなかったB17を簡単に撃墜させたトラウマを抱えていたせいで日本の航空機産業の台頭を絶対に許せずに、中曽根内閣時代に三菱重工が従来のいかなる戦闘機の性能をも上回る次期支援戦闘機FSXの計画を発表した時、強引にこれを潰してしまった。この戦闘機の性能は旋回と宙返りの直径が従来の半分でいかなる相手との空中戦で優位にたてるという絶対的なものだった。

ちなみにアメリカの高性能の軍用機のコックピットはほとんど日本製の部品でなりたっている。他の大型旅客機の半ばも日本で作られてもいるが、アメリカ側の製造部分が粗雑で繋がらなかったという事実もあるほどだ。故にも航空機産業はこの国の命運を左右しかねぬ可能性を秘めている。先般の火星にまで飛んでいき惑星の一部を採取して見事帰還した宇宙船ハヤブサの快挙も含めてわが国の先端技術の開発こそが国家を支える致命的な意味を持つということを我々は熟知すべきなのだ。

アメリカは今でも日本を警戒していますし、日本の発展を望んではいません。
むしろ、嘗ての戦友である中国や韓国の方にシフトしても、おかしく無いのです。
今こそ、対米従属を見直し、安全保障と外交を見直すべき時なのではないでしょうか。

【日本の底力】

「自主国防」という言葉を耳にすると、必ず、こう言う人がいます。
「そんなこと出来るわけないじゃん」と。しかし、本当にそうでしょうか。
こちらをご覧下さい。

『新兵器登場!』
s.ameblo.jp/holyfirework/entry-12118135638.html

これが、日本の底力です。
日本は、世界に冠たる技術大国です。
ノーベル賞も、たくさん取りました。
国民が理解し、団結し、声を上げれば、自主国防は実現出来るのです。
皆さん、今こそ、日本のあるべき外交姿勢と安全保障政策について、考えてみませんか。


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  • コテヤン@どうやら管理人
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「慰安婦問題と自主国防論」のコメント一覧

  1. 1
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    灯火さんと事前連絡してるわけでもないのに、なんでこんなに問題意識がシンクロするのか…不思議ですw

    私も本日動画を上げまして、寄稿記事の代わりにさせていただきました。
    主に国際情勢面から日韓合意を論じ、そしてこの情けない合意を今後しないためにどうするか?お話させていただいてます。

    記事に関してはまったくもってその通り、としか言いようがありません。
    アメリカは在日米軍の存在を指して「2重の蓋」と発言したこともあるようです。
    つまり「日本に対しても蓋をする」というわけです。

    恐らくですが日本が軍事力の増強路線に舵を切ると、一番ビビるのはアメリカじゃないか?と思います。

  2. 2
    noranekoma のらねこま  :

    賛同します。世界情勢は変化しており、以前の常識を捨てる必要があると思いますね。これまでアメリカ依存でやっていけたからと言って、今後もそれが可能だと考えるのは思考停止だと思います。ここまで世界がおかしくなっているのに危機感が無い。これも拝金主義の影響があるのでしょうか。

  3. 3
    baiannmidareame やす  :

    仰る通りです。

    我々は国民の為の「経世済民」の政治を訴えながら、同時に「自存自衛」も訴えるという、ある意味短期的な安全保障観から見れば真逆なことを主張していくわけです。

    日本国民の中で「自主独立」の価値観が理解されることが必要なのですが・・・