「ゆでガエル」的「日本論」

今議論になっている「日韓合意」に対する新聞報道などを見て、つくづく日本人は「ゆでガエル」状態に陥っているな~と思います。

「社説読み比べ 慰安婦問題 日韓合意 本当に最終決着したのか」
http://www.newstandard.jp.net/news/asia/editorial-comparison-comfort-women-issue-japan-south-korea-agreement-final-settlement-really/1175

戦後この方日本人は、本当に幸せに暮らすことができました。ここのところ失われた20年、30年と言われ、経済的に落ち目になって来たとはいえ、大部分の日本人は衣食住に困ることはなかったわけですし、安全な生活、そして自由を謳歌してきました。実際私も、ありがたいことに幸せに暮らしてこれたと思います。そう考えれば、この幸せを逃したくない。出来る限り長く享受したい。と思う事は至極当たり前なのです。

ただ、そのような後ろ向きな態度は、「長い者には巻かれろ」的な思考を産みますから、アメリカと言う日本の安全保障を担っている者のいう事には逆らえなくなります。なにせ、逆らってアメリカを怒らせてしまったら、今の幸せな日本が失われてしまうかもしれないのですから。

しかし問題は、かって同盟国を自分達に引き寄せると言う国策から構築された戦後アメリカの態度、多くの同盟国をアメリカという国への認識を誤らせる事になったその寛容さが、今やアメリカの事情によって大きく変貌したのだと言う事を日本人が知らない事にあるようです。自由主義、資本主義を至上の価値とする国の当然の帰結によって、アメリカは「コーポラティズム」の国と成り果てていると言う事実を知らねばなりません。

「コーポラティズム」とは、グローバル企業による社会統治をいいます。グローバル企業(多国籍企業)は、その巨大な資本力を武器に、「政治」、「法律」、「社会構造」までを自分達の都合のいいように変えようとします。「コーポラティズム」の国に寛容さなどはありません。彼らの論理は自分の利益のみだからです。そして、彼らが支配する国家は国民が二分されます。1%の富裕層と99%の貧困層です。経済的、政治的格差の凄まじい拡大こそが彼らの理想とするものだからです。彼らは自分達の利益を求めるためにアメリカと言う国の力を使い、他国に自分達の都合のいい政策を強要することも厭いません。今や「コーポラティズム」と「グローバリズム」が一体化し、世界中で猛威を振るっているのです。

日本の郵政改革、農協改革なども、そういった彼らの求め応じて進められました。

郵便事業や農協による農業支援などは国家にとって必要なものですが、それらのシステムを維持していくうえで必要だった各部門が無理やり引きはがされました。システムが自立する為に利益を稼いでいた金融部門は株式会社化を進められ、これからは郵便事業や農業支援などを維持するために利益を上げるのではなく、株主の為に利益を上げることになるのです。そして、その他の利益は生み出さないが国家の為に必要な部門は、日本人自身の血税を持って維持させていかなければならなくなったわけです。

こういった「グローバリズム」「コーポラティズム」的政策は、実は日本人の中にも彼らの仲間を産みだします。こういった政策によって利益を上げる者達が当然出て来るわけです。そして力をつけた日本における彼らの仲間は、日本国内において「グローバリズム」「コーポラティズム」的政策を推進するために尽力するようになるのです。

これから、さらに彼らが力を付けていけば、日本はどうしようもない状態になるでしょう。

日本はこれだけアメリカと近い存在でありながら、アメリカの「コーポラティズム」による影響を極力避ける事が出来ていた国だったように思います。それは長い歴史において日本が大陸から程よく離れた島国であり、他民族からの侵攻をほとんど受けず、大体において単一民族によって構成された安定した社会を作り上げることに成功し、近年では太平洋上に航空母艦を浮かべ、数百機の航空機同士の戦いをアメリカと繰り広げられるほどの技術力を持ちえた国であることも関係していると思います。

それだけの国家としての底力を持ちながら、「ゆでガエル」のような情けない態度のまま、自分達の将来を、自分達の子孫の世界を、彼ら「グローバリズム」「コーポラティズム」の恩恵を受けた者達の思いのままにしてしまって良いのでしょうか。

そういった「ゆでガエル」的日本人代表である安倍政権の行った「日韓合意」によって、今や世界中で私たちのお爺さん世代が誤解され名誉を穢されているのです。

結局、我々は決断しなければならない時期に来てしまっているように思います。このまま茹で上がるのを待つか。仕方なくも今の居心地の良いぬるま湯(温度は上がってきている)から出て、自分達や自分達の子孫、そして自分達の祖先の名誉を守りながら、これからも生きていきたい国であり続けられるよう戦うか。

それだけ日本人を取りまく環境は厳しくなってきているのだと思います。


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  • noranekoma