⑦複雑な新しい搾取

複雑な新しい搾取

もちろん、搾取の廃止という命題が意味をなさないとしても、搾取が存在しないということではありません。マルクスは一つの生産工場の過程から搾取を定義しました。しかし、経済の現場では赤字で売ることもあり得ますから、生産の過程から原価計算的に積み上げられた生産価値は、そういう意味では意味を成しません。商品価値が時間的、市場的に変動して行くことから、搾取の量も時間的、市場的に変動して行くし、誰が誰を搾取しているのか明確には言い切れません。一つの契約において、一方の利益が他方の損失に依存すればそれは搾取です。市場の中で労働者が消費者となり、ディスカウント商品を買うことで搾取側に回ることもあります。いまや、搾取は一企業内だけでなく、社会全体で複雑多義に起こっています。2008年のリーマンショックなどで、アメリカの投資銀行の証券市場における利益が多数の預金者の損失によって生まれたこと...

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