シャープ経営再建報道にて考える

シャープの経営再建ですが、液晶技術の海外流出への懸念や経産省にとっては官主導の業界再編などの思いもあったようですが、どうも外資の傘下になる恐れが濃厚ですね。

(シャープ再建)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160205-00000105-san-bus_all

こういう記事を見つけました。

(シャープを混迷に陥れた”真犯人”は誰なのか)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_9061.html

この記事を見ると2000年当時、日本メーカーは競争力を失い、安価な労働力を求め海外進出を本格化させていたそうです、それに対し経産省は様々な優遇政策を講じ、日本企業の生産拠点を国内に留めようと努力していたそうです。国内残留の為の優遇策に対し批判もあったそうですが、当時の豊田正和商務情報政策局長は

「国内の雇用をどうやって守るのか。日本の技術をどうやって守るのか」と一蹴したそうです。

よく官僚についてはいろいろ言われますが、きちんと日本の将来を考え、批判をものともせず行動した官僚もいたと言う事でしょう。様々な思惑があった事は想像に難くありませんが、当時の経産省の方針はなんとか国内に生産拠点を残す事でした。

では、政治はどうだったのか。

1996年からの橋本政権、2001年からの小泉政権と、狂ったように構造改革、緊縮財政に明け暮れ、彼ら(一部でしょうが)官僚たちの思いを踏みにじってきたのです。

そして最悪な事に、彼ら政治家は自分達が犯した過ちに気付きもせず、下記の記事のような考え方に惹かれていくのです、

(もしシャープが堺ではなくインドネシアに工場をつくっていたら)

http://blogos.com/article/45980/

そもそもFTAやEPAで出遅れている日本は関税や人件費が高いことも有って不利であった。インドネシアなどのASEAN諸国に工場を作っていればFTAのネットワークが充実している事もあって成功していただろう。

このような意見はビジネスの世界では正解でしょう。しかし、国家として考えたとき不正解であることは少し考えれば分かります。日本企業がインドネシアにいくら工場を立てようと、ほとんどの日本人は働くことができないからです。

そして日本はそもそも内需の国である事を知ることが大変重要です。日本のGDPに占める輸出入の割合も各々10%前後にしかすぎません。だからといって輸出入を無視していいという事ではありません、と言うよりも内需を拡大、経済成長させることによって、国内に生産拠点が維持できる状況になるのではないかという事です。

安倍政権はTPP交渉を国益度外視で推進し署名をおこないました、署名式に参加した者が和服姿だったことが多くの者の失笑を買いましたが、安倍政権は間違いなく上記の記事の通り、FTAネットワークすなわち関税の引き下げ、投資のグローバル化、それらによる人件費の低下を重要だと考えているようです。

そして今回のシャープの再建に関し、外資の傘下に入る可能性が高くなった背景には、もちろん外資の方が好条件という事もありますが、どうも海外投資を日本に呼び込みたいと言う安倍政権の思惑も絡んでいるのではないかという意見もあるようです。・・・なんとなく、説得力を感じるのが情けない(泣)

(アベノミクスの試金石)

http://blogos.com/article/158941/


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  • holyfirework

「シャープ経営再建報道にて考える」のコメント一覧

  1. 1
    holyfirework 灯火  :

    大事なことは、企業の利益か国益かということですね。
    企業献金を受けている政治家ほど、見失ってしまうのでしょう。

  2. 2
    noranekoma のらねこま  :

    資本主義経済において企業はバランスシートで動きますから利益優先主義は止めようがありませんよね。おまけに止めると市場競争で負けて企業が潰れる世界です。ブラックであるほど強い。グローバル化でますますそれが過激化します。それで資本主義を変えようとすると猛反対に合います。なので、政府通貨を発行してカネの力にはカネの力で対抗しようと思うんです。自分だったらカネを刷ってシャープを買い取ります。もし損失があるとすれば、インフレとして国民全体で受ければ良いと思います。もちろん、経営を合理化する必要はありますが、それは徐々にやるべきでしょう。

  3. 3
    baiannmidareame やす  :

    >>灯火さん

    企業家は企業の利益をまず第一に考える

    官僚や政治家は国家の利益をまず第一に考える

    今は企業の利益も国家の利益も、どうも非常に矮小化された代物を利益と思い込んでいるように感じます。

    国家ではない地球規模の利益を求める考え方と、己のみの利益を求める考え方が見事に一致しているようで、彼らに思考の「免罪符」を与えているように感じます。

  4. 4
    baiannmidareame やす  :

    >>のらねこまさん

    仰る通りですね。そもそもシャープも液晶事業の低価格化が事業収益を悪化させたことも原因ですから、競争には勝たなければ生き残れません。

    ただ、国家として国内の雇用の受け皿を作っている企業への支援は大切です。国家が自由競争を善とし国内企業を守る盾としての関税、規制をなくすなど愚の骨頂です。

    どうも戦後日本の悪い部分である「自由」「平等」「博愛」なんて価値観が暴走し、日本国は日本人の為に存在すると言う当たり前の事を見失っているのではないかと思います、

    >なので、政府通貨を発行してカネの力にはカネの力で対抗しようと思うんです。自分だったらカネを刷ってシャープを買い取ります。

    私も四の五の言わず、日本の技術を守るため、雇用を守るため、国有でもなんでもすればいいと思います。

    政府紙幣ですか・・・議論されていましたね。私もじっくり拝見して考えてみようと思っています。

  5. 5
  6. 6
    holyfirework 灯火  :

    >>のらねこまさん

    政府紙幣には賛成ですが、そのような使い方はどうかと。そんなことしたら、ゾンビ企業が一斉に声を上げるかとw

    それと、液晶は有機ELにとって変わられるので、最早シャープに存在意義は無いです。
    さっさと清算すべきかと。

  7. 7
    noranekoma のらねこま  :

    >>灯火さん
    いやいやいや、話の流れ的にそういう提案もありだということですよw。そもそもゾンビ企業を潰して社会全体の労働資源の再配置を行う事は経済システムの効率化にとって不可避ですからね。ですから、より良い方法としては、非採算部門を切り捨てて労働者を解雇し、企業の合理化を一気にすすめることだと思います。ですが、それそのままだと新自由主義ですよね。ですから、失業者に対して長期的に十分な失業給付制度を政府通貨によって整えるべきだと考えています。これを大規模かつ長期に行うには財源が必要だからです。これにより労働者の不幸を減らしつつ、企業の合理化を促進することが可能だと思います。残念ながら、企業の競争力が低下すれば生き残れない世界なので。

  8. 8
    holyfirework 灯火  :

    >>のらねこまさん

    ああ、そういうことですか。それでしたら、賛成です。
    日本の社会保障制度では、失業給付が薄い気がします。
    生活保護に落ちるのを防ぐ為のセーフティネットが必要だと思うので、支持します。

  9. 9
    baiannmidareame やす  :

    >>灯火さん

    なかなか厳しいですね。

    私は国内に雇用を創出する生産拠点を作った企業には、それなりの支援があってもいいのではないかと思います。日本がデフレ不況となり資本のグローバル化が進み、多くの企業が海外に生産拠点を作る中、支援目当てなのかどうなのかは知りませんが、国内に作ってくれたわけです。政治がそれを助けなくてどうするのでしょうか。

    技術的なことは分かりませんので、シャープの技術が仰る通り守るに値しなくなっているかどうか検討もつきませんが、シャープが清算されれば、その分国内の雇用は確実に減るのではないでしょうか。

    国家は国内雇用を守る為に、ありとあらゆる方策をとる。私がこのコラムで言いたかったことは、言葉は悪いですが「えこひいき」をしろ、ということです。国家国民経済にそれだけの働きをした企業は国家が「えこひいき」をするという態度をとるべきなのです。

    今、TPPについて議論がありますが、議論の前に我々がはっきりと自覚すべきは、日本と他の国、日本人(と他国の人、これは明確に区別する、誤解を恐れずに言えば差別をする事が今の日本社会や私たちの今の生活を守ることになるということです。

  10. 10
    holyfirework 灯火  :

    >>やすさん

    それなりの支援とは、どのようなものでしょうか?
    既に設備投資減税や雇用調整助成金など、各種の支援策が講じられていますが、どこがどう足りないのでしょうか。余りに支援を手厚くすると、経営者のモラルハザードに繋がり、政府支援頼みの経営のゾンビ企業になります。支援金詐欺を働く不届きな輩も出て来るでしょう。
    私としては、海外に工場や支店を持たない国内専門の企業には、法人税の軽減税率を適用すれば良いと思います。勿論、法人税の大幅なアップとセットで。そうすれば、これは中小企業の保護にもなるので。

  11. 11
    baiannmidareame やす  :

    >>灯火さん

    法人税の税率を国内雇用と連動させアップダウンする案はいいですね。あくまでも国が企業を評価するのは国内雇用(できれば正社員比率)重視で(笑)

    シャープに関しては、あの円高で大変な時期に、支援があるとはいえ国内に工場を建設してくれた・・・ありがたい!と感じていて、少々すぎちゃいましたね。すみません。

  12. 12
    noranekoma のらねこま  :

    >>やすさん

    シャープが国内に工場を建設した目的が、仮に日本の雇用を守りたいという熱い思いだったとしても、市場経済では、そんなものは淘汰の対象になるだけという腹立たしい現実があります。それは市場経済と企業の関係上、避けることが難しいと思います。企業は市場原理に逆らえません。しかもグローバル経済によって競争に制限を設けることができなくなり、経済は市場システムによる完全支配に近づきつつあります。自分は市場経済とグローバリズムには否定的なのですが、これを変えるには相当な時間が必要なので、その間は、いやおうなく市場経済とグローバリズムに従うしかない状況に置かれます。

    ですから、それに適応しつつ、その副作用を軽減しつつ、さらには市場経済とグローバリズムを徐々に改善しなければならないと考えています。ですから「現状に適応するだけ」あるいは「現状を変えようとするだけ」よりも難しいです。「現状に適応しつつ現状を変える」という何か矛盾めいたことを目指しています。で、たぶん、直感ですが、これは「カネのちから」を利用すれば可能だろうと考えるわけです。通貨発行権です。世の中はカネが支配します。偉そうな御託並べてますが、具体的方法はまだまだ模索中ですけどねw。

  13. 13
    baiannmidareame やす  :

    >>のらねこまさん

    >自分は市場経済とグローバリズムには否定的なのですが、これを変えるには相当な時間が必要なので、その間は、いやおうなく市場経済とグローバリズムに従うしかない状況に置かれます。

    ですから、それに適応しつつ、その副作用を軽減しつつ、さらには市場経済とグローバリズムを徐々に改善しなければならないと考えています。

    仰る通りです。

    実のところ私も致し方ない・・・と分かってはいるのですが、多くの企業が安価な労働力を求め、そしてメディアがその海外進出をまるで素晴らしい事であるかのように報道している中、いろいろな思惑はあるでしょうが国内に工場を作ってくれた、そして経産省の官僚が批判を受けながらもそれを支援した。そういう国を思う思いが無に帰した。それがたまらなく悔しいのです。出来れば頑張ってもらって成功のモデルケースになって欲しかったという思いが強すぎたのかも知れません。

    >たぶん、直感ですが、これは「カネのちから」を利用すれば可能だろうと考えるわけです。通貨発行権です。

    非常に希望が湧くお言葉です。その方策をお互いに模索しましょう。

  14. 14
    noranekoma のらねこま  :

    >>やすさん
    >実のところ私も致し方ない・・・と分かってはいるのですが、
    そうですね、とはいえ、政治判断として銀行を救済したように、政府主導で再建を図る方法だってあるわけです。そうするとすぐに「財源がー」が出没するので、だったら刷ればいいんじゃんと思うわけです。そうなるとシャープがゾンビ化するかどうかは政府次第でして、負債を肩代わりするかわりに事業再編させれば、それはゾンビ化ではありませんよね。完全民間による再編よりも衝撃を和らげることは可能と思われます。それがせめてもの救いです。

    しかしいずれにしろ「社会全体として過剰生産」なら労働者を解雇するほかなく、国内需要があいかわらず低空飛行であれば如何ともしがたいわけです。となれば、解雇された失業者をしっかり救済する政策が必要だと思われます。ところが「財源がー」が出没するので、だったら刷ればいいじゃんと思うわけです。

  15. 15
    holyfirework 灯火  :

    ちなみに、私がシャープに冷たいのは、シャープこそが、サムスンに半導体技術などを教えて、その後サムスンに世界の半導体市場を制覇され、日本の家電業界を壊滅状態に追いやった犯人だからです。だから、日本企業はどこもシャープを助けようとはしないし、仕方なく、国が乗り出さなければならなくなったのです。

    しかし、国のやる気の無さは、金額から見てもわかりますし、鴻海はかつてのライブドアのように格上のシャープを銀行からの借金で買って成り上がろうとしているわけです。
    ライブドアがニッポン放送を買おうとしたように。あんな売国企業は、外資に骨の髄までしゃぶられて捨てられれば良いと思います。

  16. 16
    baiannmidareame やす  :

    >>灯火さん

    そうだったんですね。きちんと背景も調べなくてはダメですね。

    今、東洋経済のシャープ元副社長佐々木氏のインタビューを見てきました。まぁなんとも能天気なインタビューで少々びっくりしました。灯火さんのお怒りも理解できます。

    ただ、首脳陣のバカさ加減と、そこで働き生活している従業員とは関係ありませんから、出来るだけ従業員の救済を考えて欲しいです。

  17. 17
    holyfirework 灯火  :

    >>やすさん

    そうは言っても、シャープは、液晶にこだわるあまり、コストカットにうつつを抜かし、新技術の研究を怠り、新商品の開発も十分には行わなかったという、無能の見本のような企業ですからね。

    これがまだ、世界最先端の技術を持っているとか、率先して給与を上げて業界内をリードしているとか、そういう守るべき価値があれば、政府も企業も、シャープを助ける大義名分になるのですが、何もありませんからね。

    シャープの元社員だけを手厚く保護するのは、一般求職者に失礼だと思いますし、仕方ないかと。