日本は千年単位で呼吸している

大陸文化や西洋文化を吸収し、咀嚼して自分のものに変化させてしまう変わった国、この日本文明が千年単位で呼吸していることを申し上げておきたい。異論はあるだろう、気になったら読み進めてほしい。

まず縄文。縄文土器は形式が千年単位で変わっている。そして、弥生のとき新しい文化が入ってくるわけだが、これが紀元前三百年とか四百年あたりとすると、日本の国家的自覚が明確になった天武・持統朝の精神のドラマは七世紀だから、ほぼ千年が経っていることになる。

さらにそれから約千年が経って十六、七世紀にもう一度激変が起こることになる。戦国時代が終わり幕藩体制が確立し、江戸時代がはじまる。この千年単位の呼吸で考えると1700年から2700年までは変わりないことになる。確かに大きな目で見ると、現代はまだ幕藩体制と同一の社会構造の中にあるという言い方ができると思う。

しかし「現代は幾何級数的に時間の進み方が早まっているから昔の千年はいまの十年ほどになりませんか?」などと疑問が湧くだろう。

多くの日本人は明治維新に大きな変化があったであろうと思い込んでいるが、本当は江戸時代に今の暮らしの形が形成されていった。

江戸時代中期から後期にかけて日本は豊かになっていった。家も大きくなり、庶民の家庭にも物が増えてきて、タンスというものが十八世紀に一般化します。1700年代にタンスは各家庭に入りだし、押入れというものができた。それまでは布団をどうしていたのだろうか?

布団無しで寝ていたケースも考えられる。茶ダンス、書ダンス、衣装ダンスなど、そういうものが生活のなかに一般化してくるのも十八世紀だ。もう現代人の生活に非常に近いものがある。

それに、昔は奉公人は結婚できないというのが通常だった。江戸時代に入ると奉公人も、小作人も家を持ち、結婚し子育てをすることができるようになる。大混乱の戦国時代には考えられないことだった。

このように庶民のライフスタイルは江戸時代にがらっと変わるのだ。

日本文化は千年単位でこれまでも呼吸してきたし、これからも呼吸していく。日本文化の呼吸は千年単位のものなのだということ。これは、現代の日本人が自覚しなければならないことだ。


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  • コテヤン@どうやら管理人

「日本は千年単位で呼吸している」のコメント一覧

  1. 1
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    ご寄稿ありがとうございます。
    中々面白い考察ですねぇ。1000年単位ですか。

    そういえば食文化においても、江戸時代に花開き現在まで続くという感じですものね。
    天ぷらやお寿司、うなぎの蒲焼等々の原型は江戸時代にできたのだとか。

  2. 2
    baiannmidareame やす  :

    面白い視点ですね。

    「中国化する日本」を書かれた与那覇さんも、確か現代はまだ「江戸時代」が続いている、とか仰っていたような・・・