師匠と弟子6(短編小説)

(5章関西人の講演)奇妙な本屋に出入りする関西人に、講演を聞きに来いと誘われたのは昨日のことだ。なし崩し的に受けてしまったのだけど、いざ行くとなるとやはり正直足が重い。折角の休みで、家にいくらかお金を入れても遊べるお金はあるし、あのひょうきんな関西人の講演を聞きに行くくらいなら、友達でも誘って遊びに行ったほうが…と思ったのだけど、友達は全員就職していて忙しく、そもそも最近は就職に失敗した引け目から、全く連絡していなかったことに気がつくのに、大して時間はかからなかった。全くもって朝から憂鬱な事実に気がついてしまったものだ、と一人つぶやきつつため息を吐く。しょうがない、講演に行くかと重い腰を上げる。 名刺と一緒にもらった講演の案内を見てみると、昨日のホテルじゃないか。あれだけ酔っ払っても関西人が、余裕しゃくしゃくだったのも恐らく、このホテルに部屋をとっているからだろう。あの関西人は...

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