改革を希求する大衆人が地域、そして国家を破壊する

19世紀後半から20世紀初頭のスペインの哲学者であるオルテガの代表的著作『大衆の反逆』からの抜粋です。

(神吉敬三訳、ちくま学芸文庫P80~82より)

普通人は、技術的・社会的にかくも完全な世界をまのあたりにした時、それは自然が生み出したものであると考え、それらを創造した優れた人々の天才的な努力にはけっして思いいたらないのが事実だからである。いわんや彼らが、こうしたいっさいの便宜が、今日でも人間のきわめて稀有な能力に支えられているものであり、その能力が少しでも欠如すれば、この壮麗な構築物もたちまちのうちに瓦解してしまうであろうという考え方を認めるのはなおさら不可能である。

(中略)
彼らの最大の関心ごとは自分の安楽な生活でありながら、その実、その安楽な生活の根拠には連帯責任を感じていないのである。彼らは、文明の利点の中に、非常な努力と細心の注意をもってして初めて維持し...

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