シナリオはプラザ合意から始まった

【シナリオはプラザ合意から始まった】

1985年9月、日・米・英・独・仏の先進5カ国は各国財務大臣と中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルにおいて為替の協調介入のための会議が開催された。
目的は米国の膨大な貿易赤字の是正のためのドル安誘導への国際的協調政策で、これをプラザ合意という。
そしてこの合意の実行による急激な円高が、日本国内企業の対外競争力を奪うとの懸念から、内需でそれを補う必要が生じた。
そのために金融緩和を行い、国内の企業を保護した。
ただ、この政策は大量のマネーが発生する政策であった。

まず、金融緩和のマネーは、株式市場や土地市場、果ては絵画や宝飾品市場へも流れ込み、それらを高騰させた。
株価と地価の高騰は、即ち膨大なマネーの創造である。
これが日本経済に大きな影響を与えないわけはない。

いや、それは予定であったのかもしれないが、これがいわゆるバブル発生である。
株価と地価の高騰は、企業の資産だけにとどまらず、個人の資産を膨らませ、実質的に、金持ちの人口を増やす政策となった。
そのおかげで歴史的にも驚嘆すべき好況が発生し、就職戦線では完全に労働者の売り手優勢となった。
大学や高校の卒業予定の学生たちは何社もの内定を手にしていたし、実際失業率は最低の2%台となり、お金を手に入れた人々の購買意欲も強く、当時は高価な大型テレビや高級乗用車が飛ぶように売れた。
1985~1990年のことである。

しかし見落としてはならないのは、驚くことにバブルと云われたあの当時でも、物価は安定しており、インフレ判定基準である消費者物価上昇率も2%前後で推移した。
また貿易収支にも目に見える影響はなく、むしろ貿易収支はさらに拡大傾向ともいえた。
つまり、その当時における日本の製品供給能力、即ち生産性はあきれるほどの高さがあり、まさにジャパンアズNo.1も決して云いすぎでなかったのだ。

・・・本当にあれはバブルであったのか、1989年日本銀行は貸出金利を上げ、合わせて貸し出しの量的規制も行う。そして、その影響は1990年になって現れた。・・・

しかしマスコミはこの地価の一見、異常ともいえる上昇を見て、

これではサラリーマンがマイホームを持てないではないか、
人々の住環境が豊かになれないではないかと、
現象の一部だけを取り上げ誇張し、
バブルのおかげで不公平な社会が現出したと言い放ち、人々を煽った。
そしておそらくこれがバブル崩壊の合図のようにもなり、
まずは1990年正月、株式市場の開場初日(大発会)から株価の暴落が始まる。

以後、地価も続けて暴落をはじめる。
これにより、日本国民は全体として膨大な量の金融資産、即ち〈お金〉を奪われるのである。

それは、多くの日本国民が富裕層となる夢、老後の安心への夢を破られ始まる序章なのでもあった。
そのとき日本国民が失えた資産価値はおそらく7千兆円といって間違いではない。
これではその後、政府がいくら大きな額の赤字国債(常識的な意味での大きな額)を増刷して景気回復を図ろうとも、その効果が思わしくないのはいたし方がない。
失った額の桁が違いすぎたのだ。

財政政策が効かない、だからケインズ理論が誤りであるといわれた。
しかしその観方こそ、いずれ間違いなく、大きな誤りであったと逆に指摘されるに違いない。

バブル崩壊で日本国民が失ったのは大量のお金である。
しかしジャパンアズNo.1といわれた大量の富である世界最先端の技術力や生産設備という富が、
いわゆる実体経済といわれるものがその時、瞬時に失われたわけではない。
人々はそのように感じたかもしれないが、実際に失われるのはその後である。

マスコミと出鱈目な経済学者たちが先導して、政治家たちが亡国の政策を実行し続けた結果として、
何時でも政府が増やすことの可能なお金という富の分配のための道具だけではなく、実質の富をも失い続けるのである。

そしてそれは今も続いている。

これ以上、日本国民がそのような亡国の政策を容認し続けるのなら、日本民族はこの地球上に存続し続けるだけの英知のない、
ただアメリカの保護の下、戦後、たまたま繁栄しただけの、
本当は無能な民族であるとの烙印を他の民族から押されたとしても、
それに反論するだけの根拠を失うことになる。

これでは、そのような間抜けな民族の遺伝子がたとえ、この地球上から消滅したとしても、一粒の同情の涙さえ世界の人々から引き出せないやも知れぬ。

.........................…………….

拙著の“はじめに”から引用しました、後先になりましたがご覧下さって感謝します。

シナリオだけど、

いったい何のシナリオなのかですよ。

バブルと言わしめ、故意に平成景気を崩壊せしめたというのは、この間の政府及び日銀の金融政策の経緯を見れば明らかという他ないではないですか。

金融を理解している者から見れば、日本の富を奪い去る為の、あるいは日本そのものを乗っ取る為のシナリオにしか見えないのです。

そのシナリオだという根拠が山の様にあると表現したいぐらいいっぱいあります。


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  • コテヤン@どうやら管理人
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「シナリオはプラザ合意から始まった」のコメント一覧

  1. 1
    mtblog-reader  :

    これは、続きを読みたいです。
    もしかして、Gokaiさんのブログに、続きがあるのですか?

  2. 2
    Gokai  :

    mtblog-readerさまへ、

    お褒め有難うございます。
    ところが、
    PCの扱いが全くだめなこともありまして、現在はブロガーではありません。
    ただ、マッタク売れない本は書いていまして、
    それは、これです。↓そしてこれの冒頭に書いた文を厚かましくも引用させて頂きました。
    「お金を配れば日本復活-政府借金は雪だるまにならない」
    http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E9%87%91%E3%82%92%E9%85%8D%E3%82%8C%E3%81%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%BE%A9%E6%B4%BB-%E6%94%BF%E5%BA%9C%E5%80%9F%E9%87%91%E3%81%AF%E9%9B%AA%E3%81%A0%E3%82%8B%E3%81%BE%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-Parade-books-%E3%81%AA%E3%81%AA%E3%81%BF%E3%81%AE%E3%82%86%E3%81%86/dp/4434162020

    “なか見検索”が可能ですのでよかったら見てやってください、