【11月22日に迫る大阪W選】橋下維新・大阪都構想の検証とデマ1

過去に拙ブログでも掲載したテーマですが、11月22日の大阪W選の前にいま一度大阪都構想と橋下徹氏のデマを検証しようと思います。
また我々日本人が今何をしていくべきなのか?どうするべきなのか?について大阪都構想騒ぎを通して語れたらと思います。
本稿は以下の部に分けて順次お送りしていきます。

1.大阪都構想とはどういうものだったのか?
2.大阪都構想で橋下徹が撒き散らしたデマと嘘
3.11月22日の大阪知事、市長W選における我々のすべきこと
4.内向きな改革病と戦い続けるために


【第一部:大阪都構想とはどういうものだったのか?】
まず大雑把に大阪都構想とはどういうものだったのか?ということを再確認しなければなりません。
これが1部目の主眼テーマになります。

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/
【藤井聡】大阪都構想:知っていてほしい7つの事実

私の認識で言いますと大阪都構想はシステムの改変という意味以外に何もない「空っぽ」の構想だということです。
藤井聡先生の言い方を借りれば「論外」なる代物です。

では何故「空っぽ」で「論外」なのかといいますと「システムの改変それ自体が目的化した構想」であったからです。その先には何もない。以下の例を見ていただければご理解いただけるかと思います。

【財政効果】
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159515/2
大風呂敷が一転…都構想から消えた経済効果「年間4000億円」

http://www.asahi.com/articles/ASH5544P0H55PTIL00Q.html
大阪都の財政効果は 賛成派2700億円×反対派1億円

上記賛成派の2700億円は勿論1年間ではなく「17年間」の累計値、年間160億円程度という話になります。何故今まで「年間いくら!」と言ってたのが17年間の累計値になるのかも疑問です。
さらには大阪都構想は「大阪市を解体する」構想であるにもかかわらず、この2700億円の財政効果の中には「大阪市政改革」の効果値まで含まれているのです(失笑するしかないですねww)
つまりこの試算そのものが「非常に適当かつ恣意的なものである」という疑義が濃厚です。

この試算は大阪市議会でも追求されており、散々に議員が明確な財政効果はいくらなのだ?と質問をしても回答が得られなかったという経緯があります。
仕方がなく大阪市が出した試算から「都構想じゃなくてもできるものを差っ引いて」推計値を出した結果が1億円という話になります。
この頃から橋本市長は「財政効果に都構想の価値は置いていない」と前言を翻し始めます。

【広域行政】
必ず大阪都構想の話になると「広域行政の一元化になり効率的に開発が進む!」という意見が出てきますが、これは都構想を理解していないか誤解しているのだと思います。

1)大阪市の都市開発計画は大阪市都市開発局が担っている
2)大阪府の都市開発局はそもそも「大阪市のような地権者の入り組んだややこしい都市」の開発経験、ノウハウがない
3)大阪都構想の骨組みとも言える協定書によれば、大阪市の都市開発局は5つの区と大阪府に6分割されることになっていた

つまり大阪市の都市開発を「ノウハウのない大阪府」に任せるということになるのですが、ノウハウがないのにどうして「一本化されて効率化!」という話になるのでしょうか?
これも大阪都構想が「システムの効率化(出来てないんだけど…)」のみを主眼として、それ以外のことを一切考えていなかったという証左になるかと思います。

【流出する2200億円】
大阪都構想の協定書によりますと都構想が実現した際には「旧大阪市地域の予算」が2200億円、大阪府に流れるという話になっておりました。
これは上記で書いた「広域行政一元化のためそのような配分になる」と説明されてきました。
また「取り上げるわけじゃない、大阪市につかいますよ」とも説明がなされてきましたが、大阪市から選出される府議は全体の3割程度。
どう頑張っても「大阪市以外に使われることは明々白々」となりますので、必然的に2200億円分の「住民サービスの低下」は避けられないという結論に至ります。
※都市開発も住民サービスの一環として捉えております。

【防災減災対策】
2015年の5月5日に藤井聡先生やその他の学者100人以上による大阪都構想への反対声明が出され、学者達の記者会見が開かれました。

http://satoshi-fujii.com/informedconsent/
『大阪都構想』の危険性を明らかにする学者記者会見
~インフォームド・コンセントに基づく理性的な住民判断の支援に向けて~

この中で河田恵昭・京都大学名誉教授は日本における防災・減災の第一人者でありまた実務にも関わっておられる方がこのように仰っておりました。
「311の震災後に私は多くの党で勉強会、講演に呼ばれました。しかし維新だけは呼ばれていない」
「都構想には防災・減災が全く考えられていない」
「水道事業を民営化して南海トラフ地震が来たらどうするんだ!水道管が断裂したら火が上がっても水がなければどういう事態になるか想像できるでしょう」
※意訳も含んでいます。実際の動画は上記から御覧ください。

これに対しての橋本市長のTwitterでの反応は以下の様なものでした。
http://blogos.com/article/111552/
実務を知らない学者は大阪都構想批判を繰り返す – 5月6日(水)のツイート

如何に彼が「大阪市民のことなどどうでもいい、喧嘩に勝つことだけが正義」と考えているかの証左になろうかと思います。

【ニアイズベター】
さて、財政効果が疑わしくなってきますと橋本市長はこのように主張し始めます。
「5つの特別区になることでより身近に行政がなり、住民サービスが上がり、即応性も高くなる」
「一人の市長で大阪市全体を見るのは無理だ」
「一人で見られるのはは50万人程度までだ。50万人が適正な規模だ」

1)大阪市の人口は266万人、横浜市の人口は369万人、名古屋市226万人、京都市147万人
2)大阪都構想で5つになる区の内、橋下氏が主張していた50万人を大きく上回る70万人の区がある

まず1)を考えてみると他の人口の多い都市で「人口が多すぎるから分割しよう」という話は一切聞きません。
それもそのはずで「政令指定都市」とは基礎自治体の中でもっとも権限が大きく、どの基礎自治体も「目指すもの」だからです。
逆に特別区とは基礎自治体の中でもっとも権限が低く、専門家に言わせると「半人前の基礎自治体」だそうです。

また専門家の間でも「基礎自治体の適性人口」という議論は聞かれません。
それも当然で世界的にはメガロポリスと呼ばれる大都市は「都市内分権」が潮流であり、都市そのものを解体して小さく分割する等という愚かしい発想には恐らく専門家の先生方も驚いたことでしょう。

2)についてはこのニアイズベターが後付の理屈であるという疑義のある、良い証左だと思います。
また前述したとおり予算、権限が少なくなるのに「ニアイズベター」のみをもって「住民サービスがよくなる」という主張は、根拠に乏しいだけでなくデマとしか思えないのです。

【自治権の放棄】
これまで話してきたとおり大阪市は政令指定都市であり、大きな自治権があります。
この自治権を市長自ら壊すというのは決して許される話ではありません。

小泉フィーバーの時、彼は「自民党をぶっ壊す!」というフレーズで人気を集めました。橋下氏も「大阪市をぶっ壊す」を実行しようとしたわけです。
組織のトップが人気取りのためにその組織をぶっ壊すということが、道義上あって良いものでしょうか?

【財政健全化】
こちらは2部目、橋下徹氏の嘘とデマの検証の中で取り上げたいと思います。

【総評】
本稿1部に長々お付き合いいただきありがとうございました。

「それでは大阪都構想にメリットはなかったのか?」
と聞かれますと最初に申し上げたとおり「空っぽ」で「論外」の代物でしかなかったというのが私の分析です。
水道事業は赤字だから民営化!効率化!と叫んだかと思うと、黒字の地下鉄も何故か民営化!と叫ぶような方が考えた代物です。

企業などでもやれトップダウンだ、やれボトムアップだ、やれユニット制だどーだこーだと潰れかけの企業がよくやります。
しかし考えてみてください。企業は「売上を上げる」ことでこそ成長するものです。システムの改変はその手段でしか無いわけです。
システムの改変自体が目的化した場合、大方の企業は衰えていきます。なぜならシステムの改変は蓄積したノウハウを奪い、売上も上げないからです。
実に内向きな発想であり危険な発想なのですが、これは大阪のみならず日本そのものがこのような発想に現在とらわれております。

構造改革、抜本的改革、岩盤規制に穴を開ける、○○の解体、郵政民営化、道州制、政府支出削減、税制改革、省庁再編、公務員削減、国会議員削減、一院制、首相公選制等々

あげれば実にきりがない「システムの改変の目的化」という内向きな発想ばかりです。
大阪都構想はその一例でしかないのです。
ただ「大阪都構想がどういったものだったのか?何がいけないのか?」を学ぶことが上記のような「内向きな改革病」に対する一つの処方箋になれば幸いです。

第2部は以下から
http://anti-neoliberalism.top/10/2358/


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  • holyfirework

コテヤン@どうやら管理人
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「【11月22日に迫る大阪W選】橋下維新・大阪都構想の検証とデマ1」のコメント一覧

  1. 1
    holyfirework 灯火  :

    お疲れ様です。
    そう言えば、大阪都構想の総括は、あまりされてないですね。特に、推進派の方々ほど、振り返って検証していないと思います。

    今度の選挙は良い機会ですから、再び、大阪都構想と、大阪市のあるべき未来の姿を、有権者の皆さんに考えてもらいたいですね。

  2. 2
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>灯火さん
    まったくもってその通りですね。
    先日BLOGOSにてこんな議論になりまして。
    私「橋下徹は嘘つきだ」
    相手「嘘をついてない政治家なんて居ない!」
    私「橋下徹の嘘は限度を超えている。故意の嘘は許しがたい」
    相手「大なり小なり嘘付いてるんだったら一緒だ!橋下徹の嘘は政治闘争だ」
    私「・・・・・・(駄目だこいつ)」

    上記議論も書くきっかけになりました。あと藤井先生が都構想反対の活動を再開されたのも。

    次回はデマ、嘘がどれだけ流されたのかの検証になります。
    魔王と勇者シリーズとは違って、本稿はちょっと真面目に書いていこうかなとw
    ちなみに大阪市民は私の見る感じでは厭戦気分のような気がします。
    「もう面倒くさいわぁほんま」
    みたいなw
    いやいや反対派は頑張りなはれ!と思うんですが…w

  3. 3
    holyfirework 灯火  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    私も経験ありますが、橋下氏は熱狂的ファンというか、信者の方々が多いですからね(^_^;
     
    嘘やデマは言葉は文章だけでなく、パンフレットやチラシ、動画など、あらゆるメディアに渡って、これでもかというくらい流されていましたから、とても大変な作業になると思いますが、頑張って下さい。応援しています。

    賛成派の方々は、熱狂的な方が多いので、反対派の方々のテンションや投票率が下がったりしたら、危ないかもしれないですね(^_^;

  4. 4
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>灯火さん
    そうなんです、第二部が一番大変な作業になりそうな…w
    総括の山場ですw

    橋下信者の方々はまさに「信者」ですからねぇ…橋下氏のあらゆることを肯定してデマを撒き散らす厄介極まりない方々です。
    ・・・橋下氏及びこの信者がデマ撒き散らさなければ、こんな厄介な検証をしなくても済んだのに…なんて考えてしまいますw