中野剛志著:日本思想史新論

今日は中野剛志著の日本思想史新論のご紹介です。
一見経済とはなんの関係もない本ですが、経済学や経済思想と言うのは「安定した政治」の上にこそ成り立つものであり、政治を語る上では思想や価値観、歴史感が欠かせません。
政治とは理論だけでは成り立たず、プラグマティズムな思考こそが必要なのだと思います。
そしてこの一冊は日本に脈々と受け継がれてきた「プラグマティズム」(実践主義)という思想のがあったのだと証明するものです。

明治維新のおりに活躍した幕末の志士達がバイブルにしていたのは、会沢正志斎が書いた新論(だったか?うろ覚え)という書物です。
この書物は幕末の20年も前に書かれていたにも関わらず、当時の外国の最新の情勢や情報を収集し、そして大変「アカデミック」に書かれた正に衝撃の書だったとのことです。
そして「いかに外国から日本を守るか」という尊王攘夷思想で書かれておりました。

会沢正志斎が水戸藩主にこれを見せた所「すげーな…凄いけどちょっと過激すぎて外には出せないぞ…」ということで水戸藩主及び水戸の重臣たちの間でのみ読まれていたとのことです。
これが幕末のおりに会沢正志斎の弟子たちによって出版され、維新志士のバイブル本となったのです。

しかし本書は会沢正志斎だけが優れていたわけではない、という結論に至っております。
会沢正志斎が尊敬してやまなかった伊藤仁斎や、その思想の血脈に焦点を当てて「日本にはそもそもプラグマティズムがあった」ことを淡々と語っていきます。

そしてさらにその思想の血脈を福沢諭吉も受け継いでいる、という結論に至ります。
開明的な思想家として知られる福沢諭吉ですが、本書では彼が尊王攘夷思想であることが間違いなく、また彼もプラグマティズムに思考していたのだと考察しています。

日本に脈々と受け継がれてきた「プラグマティズム」を現代の日本は、政治は忘れているのではないか?
そう思わずにはいられない一冊です。ただ本書は割りと難解な部類に入り、私も5回ほど読みなおしてやっとこさ「あぁなるほどこういうことか…」となりました。
難しい本ですが歴史が好きな方には新たな視点を与える「必読の書」かと思います。


このユーザーがいいねしています

  • reisaif

コテヤン@どうやら管理人
About コテヤン@どうやら管理人
とあるご縁でブルーオーシャンを立ち上げることに… YouTubeでは高橋聡として動画投稿しております。 チャンネルへ |  反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地(毎日更新) |  進撃の庶民(毎週月曜寄稿)

「中野剛志著:日本思想史新論」のコメント一覧

  1. 1
    reisaif 零細  :

    一回読んだだけじゃダメですか。もう一度読み直すか。

  2. 2
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>零細さん
    来て頂けたのですねキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
    あ、銀河英雄伝説ファンです。ここではコテヤンと名乗っておりますw

    私の量産型脳みそだと5回位読んでやっとこさ、って感じでしたw
    (多分私、会員さんの中でも一番学のない部類なのでw中卒ですしねw)
    というか零細さんも読んでらっしゃったんですねw
    これ私からすると「無茶苦茶面白い」本でした。

    ぜひぜひこれからもブルーオーシャンに遊びに来て下さいm(_ _)m