新自由主義が日本の食卓を破壊する

今現在「大阪都構想」の第2部、魔王と勇者の経済政策の次回も制作中ですが、今日はタイムリーな話題&元料理人としてこのエントリーを寄稿したいと思い寄稿します。

皆様は秋山徳蔵、オーギュスト・エスコフィエ等々をご存知でしょうか?
秋山徳蔵は今年「天皇の料理番」としてTBSドラマで3月辺りから放送されておりましたので、ご存じの方も多いでしょう。
秋山徳蔵は日本の西洋料理(特にフランス料理)における普及に大いに貢献し、また天皇陛下への忠誠心が厚いことで知られている「西洋料理人」からすると神様みたいな人です。
※私は16歳からイタリアンカフェレストランで務めておりました。合計で4年ほどなので大した料理人じゃなかったです(汗
※料理人で一人前になるには大体10年ほど必要だと言われます。一般的には。

さらにその秋山徳蔵が師事したオーギュスト・エスコフィエは「近代フランス料理の開祖」と言っても過言ではない(どころか評価が足りないと怒られそうw)「フランス料理をやるならエスコフィエを読め」「フランス料理で迷ったらエスコフィエを読め」と言われるような方です。
いわゆる天才中の天才、元料理人にしましたら「雲の上の存在」なお二人なんですね。

さて、考えてみると料理とは何でしょう?
言語と同じく「その国の文化」であり「背骨」であり「風土」であり「慣れ親しんだもの」でありと様々な言い方ができるかと思います。
食は言語と同じく「その国の人を作る重要な問題」と言えようかと思います。
これはすなわち「ナショナリティ」であり「一つの国の共同体としての意識」であり「民族意識」でありということが出来ます。

我が国は「食文化」において圧倒的な伝統を誇ってまいりました。
何しろエスコフィエによって体系化された近代フランス料理よりも早く「日本料理」は体系化をされていたわけです。
また日本人の食の意識の高さは世界に類を見ないほどです。とあるジョークでは「日本人は食にしか怒らない」のだそうです。
考えてみましたら中国からの毒餃子事件が2007年にありました時に、日本人は怒り怒髪天を貫く勢いて怒りまくったわけです。BSE(狂牛病)問題にしてもそう。

これほど「食の意識」が高い食いしん坊民族がほかにおりましょうか?私はそれを見つけるならばフランス人、イタリア人くらいしか知りません。

さて、今新自由主義というものによって「日本の食卓そのもの」が脅かされております。
新自由主義とは「効率」だけを重視する主義と言っても過言ではありません。効率とはそもそも「旨いか不味いか」という主観的なものは排除されます。
端的に言いますと「価格」のみを重視するわけです。

では日本のおいしい農産物は「価格」でアメリカ産に勝てるでしょうか?答えは否です。
国土的な制約条件があり日本では「大量に生産するプランテーション的農業」は不可能だからです。
つまり「ビジネスとしてだけで捉えるならば」「効率だけで捉えるならば」外国産のほうが優れているという話になります。
これが新自由主義が信奉する「ビジネスの論理」になります。

しかしながらそれだけで良いのでしょうか?
おいしい安全な農産物や食品は我々の胃袋の話です。大体ビジネスの論理だけで優先順位をつけるならば、マクドナルドが世界一おいしいという話になってしまいますし、コーラも同様でしょう。
つまり明確に我々の胃袋を考えた場合に「ビジネスの論理」以外が存在するということは明明白白であります。

ではその論理とは何なのか?
つまり安全や我々が育ち慣れ親しんできた文化であります。
お母さんの手料理、おふくろの味、和食、味噌汁、そういった「我々の中にある感覚」「我々の食卓」であります。
「国産は安心できるから買うけど…中国産は安心できへんから我が子に食べさせたくない」
なんてお母さん方もおられるでしょう?我々の胃袋の話というのは正にそういうことです。効率だけじゃない、値段だけじゃない、我が子にちゃんとした物を食べてほしい。こういう思いなんです。

しかしながらそれは現在の日本において「新自由主義」なる効率主義によって破壊されようとしております。
効率だけを商売として追い求めるならば、それはやがて中国の毒餃子のようになり我々の胃袋も汚染されるでしょう。

具体的には農協改革なんてものはその一例ですし、TPPによっても日本の食卓がやばくなるという方向性に現在動いております。
政治における「善と悪」がビジネスにおける「善と悪」と相容れないように、食における「善と悪」もまたビジネスにおける「善と悪」とは相容れないのだと。

ビジネスこそが「最上のものなのだ」とする新自由主義は、我々の食卓を破壊する!と強く強く結論づけまして、本寄稿とさせて頂きます。

我々は餌を食べたいのではない!家畜ではない!人間だ!


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  • jan2002
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コテヤン@どうやら管理人
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「新自由主義が日本の食卓を破壊する」のコメント一覧

  1. 1
    jan2002 花のヤン  :

    >では日本のおいしい農産物は「価格」でアメリカ産に勝てるでしょうか?答えは否です。

    円安を進行させれば価格勝負できるようになりますよ。
    何度も言うように、円安は色々と好都合になるわけです。

  2. 2
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>花のヤンさん
    理論的には勿論そうなりますが、例えばお米を関税ではなく円安によって対等にしようとすると現在の7倍程度の円安が必要になっちゃいます。
    ※関税率700%強だったかと。
    ※野菜等々はそこまで関税がかかっていないので、これは円安でいけるかと。

    あと、本質的な問題があるとすれば農業をどう保護していくべきか?という話もあります。
    (安倍政権は農協解体とかで真逆の方向ですが…)
    実は日本の農業は先進国の中でも「保障が薄い」らしいのですね。国民の胃袋のためにもある意味「農業従事者の公務員化」くらいの勢いで保障が必要じゃないかなと。

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  3. 3
    jan2002 花のヤン  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん
    >理論的には勿論そうなりますが、例えばお米を関税ではなく円安によって対等にしようとすると現在の7倍程度の円安が必要になっちゃいます。
    >※関税率700%強だったかと。
    >※野菜等々はそこまで関税がかかっていないので、これは円安でいけるかと。

    まあ、たしかにお米はそうでしょうね。
    そして、私も野菜等々は十分やっていけそうな気がします。

    >あと、本質的な問題があるとすれば農業をどう保護していくべきか?という話もあります。
    >(安倍政権は農協解体とかで真逆の方向ですが…)

    まず、実は兼業農家は採算性が多少悪くても継続可能なので、こちらをメインにすべきだと思います。
    つまり、専業農家では採算性が悪ければ存続できませんが、他に収入源がある兼業農家は採算性には鈍感なのです。
    その点では、大規模専業農家や企業を目論む農林水産省はまた失敗するのではないでしょうか。

    そして、兼業農家をメインすることを考えると高速道路無料化が有効だと思います。
    民主党政権で数少ない有効だと思える政策が高速道路無料化だったのですが、ネットではあまり評価されていないようですけど。
    私の考えでは高速道路無料化により、農村から通勤できることから農村の後継者問題が緩和されるということと、土地代の安い農村に持ち家を建てることが期待できること、郊外でも従業員が確保できる目処が立つため工場やオフィスが土地代の安い農村にくることが期待できること、がメリットとなると思います。

    あと他には、林業が儲かる産業にすることも考えるべきでしょうね。
    近くに工場や高速道路がないような農村でも林業が儲かるのなら人が集まるようになるでしょう。
    しかし、これには円安だけでは心許なく、コテヤンさんがおっしゃるような公務員化を本気で考えなければならないかもしれません。

  4. 4
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>花のヤンさん
    高速道路無料化は良いですね。
    また地方活性化にはインフラとそれらが安く利用できる環境が必須だと私も思います。

    >林業
    これも私は関税等々で保護するべきじゃないか?と思ったりします。
    勿論「消費者」からは反対が出るでしょうが、国土の保全という観点からは非常に重要なんじゃないかなと。
    「地方と地方を競爭させて」なんて筋の悪い論が蔓延っておりますが、なんでああなるんだろう…とか思っちゃいます。

  5. 5
    jan2002 花のヤン  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん
    >「地方と地方を競爭させて」なんて筋の悪い論が蔓延っておりますが、なんでああなるんだろう…とか思っちゃいます。

    この「地方と地方を競爭させて」の目的は企業への利益誘導だと思いますよ。
    地方にとって人口が集まる条件とは企業誘致にかかってくるわけですが、そうなれば企業減税や誘致補助金などの競争が起こることが予想できます。
    つまり、最終的には企業優遇策を地方と地方とで競争させるわけです。

    おそらく、同じ理由で経団連が道州制を支持したりしているのだと思います。

  6. 6
    jan2002 花のヤン  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    追伸です。
    つまり、「地方と地方を競爭させて」とは利権や利益誘導に絡んだ主張だと思うですが、これを「利権誘導だ」と批判しても議論が平行線となります。
    やはり、メリットとデメリットを比較してデメリットの方が大きいことを証明する論法が良いと思われます。

    もっとも、世の中には「対案を出せ」などという愚か者もいますけど。

  7. 7
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>花のヤンさん
    これは大いに同意できますです。
    論理の話で言いますと「企業、ビジネスの論理」としての善なるものと「政治としての論理」として善なるものは異なるのだと思います。
    現在は全てが「ビジネスとしての善なるもの」に傾いてしまっていますがw国がビジネス論理を実行してどーすんだよwとw

    論法についても賛同で「既得権益が~」という類の相当に頭の悪い人達と一緒にはなりたくない…と思いますw
    そうなると「食卓の話」が一番「実感できる話なんじゃ?」と思って寄稿しました。
    特に主婦とかの皆さんにw

    >もっとも、世の中には「対案を出せ」などという愚か者もいますけど。

    愚かな政策に対案などない!というのが本音ですw
    違うビジョンなら示せますがw