日銀法改正はどうなった

そういえば日銀法改正の話は最近まったく聞かなくなりました。民主党政権の末期に(一部で)盛り上がっていた日銀法改正の話はどうなったのでしょう。民主党政権の頃の日銀と言えば、米国FRBのバーナンキが「ケチャップでも買っとけ」wと言いながら現金をバンバン発行していたのと対照的に、白川総裁が「日銀はデフレと全力で戦っている」と言いながら、その実は現金発行に相当慎重だったため、デフレはまったく解消せず、とんでもない円高が日本を襲っていました。

それが自民党の安倍政権に交代して日銀総裁を現在の黒田氏に交代し、日銀法改正の話までちらつかせたところ、ころっと態度が変わって、ようやく現金をどんどん発行するようになりました。ですから、今となっては通貨の供給不足という問題がまるでなかったような気すらします。

しかし考えてみれば、それまでは、マスコミも野党も多くの日銀御用学者も「日銀の独立性」を錦の御旗に掲げ、「日銀ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」の様相だったわけです。もうそれは大変な反対でしたから、そのような考えがすべて綺麗に消え去ったとは思えないわけです。

日銀の独立性と言っても、そもそも通貨の主権は「国民」にあるわけですから、国民の代表である政府を無視して勝手な独立性などあり得ません。それは軍部に独立性を持たせるに等しい考えでしょう。日銀にしても軍にしても専門性が極めて高いですから、素人がへんにかき回すと良い結果が生まれないことは理解できますが、だからといって、独立して勝手な作戦を展開されたのでは、たまったものではありません。

ですから、日銀と政府、とくに内閣との連携は極めて重要であり、あるいは日銀と政府の役割分担が重要ですから、そうした考え方は日銀の運用ルールである日銀法にしっかりと明記すべきでしょう。そして20年デフレの反省を込めて、日銀の役割についても、国民的な議論を深めて欲しいと思うのです。

最近は日銀法の改正の話はすっかり消え去ってしまいました。しかし、あれだけ激しく日銀の独立性を神聖性であるがごとく主張していたマスコミや議員や御用学者が大人しく引っ込むとは思えません。虎視眈々と反撃の時を待っているに違いないと思うのです。


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「日銀法改正はどうなった」のコメント一覧

  1. 1
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    言われてみればその通りですね。そういえば全く聞かなくなりました。
    むしろ彼らは「今騒ぎ立てると日銀法改正されかねない」ので黙ったのでしょうか?
    それとも「金融緩和の結果一定程度の効果が確認された」から黙ったのでしょうか?

    なんだか不気味な気がします。
    私的にはもしかしたら「今の政権が安定したから黙った」のかもしれないなと。権力におもねると言う感じで。
    彼らは理性ではなく悟性で動いているのかも?と思ったり。

  2. 2
    noranekoma のらねこま  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    >「今の政権が安定したから黙った」のかもしれないなと。権力におもねると言う感じで。

    自分もそう思います。だから安倍政権が弱体化すると再び攻勢に出ると思います。体力が落ちると病原菌が元気になるみたいなかんじw。おそらく水面下で自民党の議員に根回しを進めていると推測します(潜伏期間)。気が付いたときはすでに手遅れになりそうな予感(重篤化)。なので先手を打たないとまずい様な気が(予防的投薬)。

    想像ですが安倍政権は日銀に対して「日銀法改正の話を取り下げる代わりに量的緩和で協力すること」という裏取引をしている気がします(陰謀論か)。もしそうなら安倍政権から日銀法改正の話が出ることはないので、世間が盛り上がらないと、このまま行きそうです。政権交代の後で白川総裁時代の日銀復活となれば、インタゲはおろか公共投資も難しくなるかもです。

  3. 3
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>のらねこまさん
    う~ん…そうですねぇ。
    例えば予防措置としては「金融緩和が効果がなかった」のではなく、「金融緩和+財政出動という正しい政策がされなかったため」ということを世間が認識しないとダメですね。
    もしくは日銀法の改正を求めるか…

    恐らくもし彼らがまた元気になるとしたら、様々な詭弁とレトリックを使ってくるでしょうし…

    そうそう、のらねこまさんのご著書、読了しまして。
    大変面白かったです。特に図解での「お金の流れ」等々は例えば経済初心者の方もイメージが湧きやすいのではないかなと。
    あと未来のロボット社会、ディストピアだけは勘弁ですねwユートピアの方向にいかんとw

  4. 4
    noranekoma のらねこま  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    >「金融緩和+財政出動という正しい政策がされなかったため」ということを世間が認識しないと

    なるほど、それは非常に重要ですよね。マスコミを通じて「金融緩和は無意味」とかいうおかしな判断が世間に広がるのは危険です。むしろ「金融緩和だけで効果ない場合は、財政出動や、もっと強力な給付金という合わせ技の方法論がある」ことを知らせるべきです。しかしマスコミは財務省の手下ですから期待できません。ブルーオーシャンのような草の根の活動が必要なんですね。

    そして、ご購読ありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。本は全然売れませんが、根気よく続けますよ。ディストピアですが、あれは新自由主義を続ければ確実にああなると思います。究極の格差社会で、優生学全開で、利用できない人々はゴミ扱いです。新自由主義のもたらす未来社会なんてタイトルで書くと、ブルーオーシャンのサイトの主旨にも合うかも知れませんね。

  5. 5
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>のらねこまさん
    近々ご著書をブルーオーシャンの推薦図書に上げようかなと思ってますです。
    中々誰も推薦図書で投稿してくれないものでw
    推薦図書は全部今のところ私が書いてる状況でしてww

    読んだ本しか書けないので、コンテンツの充実としてここも一つの課題だなぁと。
    ま、気長にお互いやっていきましょうw

    あ、そうだ。ご著書を読ませて頂いて、素人ながら一つだけ差し出がましいのですがご意見を。
    もう少し「のらねこまさん」があってもいいんじゃないかな?と。
    例えばですが「喩え話」が上手い人って話を聞いてて引き込まれたりしませんか?上手い喩え話だと「おお!」と思ったりしてその人のキャラが何となく想像ができるみたいな。
    これは例えば「現代の資本主義に対する皮肉やブラックジョーク」とかでもいいと思いますし、何らかの「筆者の気持ち」の表現かも知れないです。

    私がご著書の中で印象に残っているのが
    >未来 の ビジョン を 阻む「 利潤 依存 の 壁」
    の中で述べられていた「矛盾に悩む筆者」だったりするのです。

    >ブルーオーシャンのような草の根の活動が必要なんですね

    だと思います。
    んでブルーオーシャンにもう少し「言論による発信力」を持たせるために、現在SEO(検索エンジン対策)やグーグルニュースに登録できないか?等々を考えています。
    これが結構厄介な作業でしてw
    まぁまだ始めて1ヶ月と三分の二ですので、いろいろ試行錯誤していきますw

  6. 6
    noranekoma のらねこま  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    >近々ご著書をブルーオーシャンの推薦図書に上げようかなと思ってますです。

    おお、感謝感激です~。でも推薦に値する自信がないので、少し恥ずかしい様な気もします。でも、そんなこと言ってられないですわ。

    >もう少し「のらねこまさん」があってもいいんじゃないかな?と。

    ありがとうございます。なるべく共感してもらえる本にしたいと思うのですが、なかなか難しいです。それを打開するための方法として「筆者の気持ち表現」を含ませるのは良いかも知れません。実は次回作に手を付け始めましたが、次回は2人の登場人物による、冗談がらみの会話形式にしようか、ひとり語り(漫談)のような形式(それこそ筆者の気持ちで展開する)にしようか迷ってまして、とりあえず、両方のスタイルで少し書いてみて、判断しようかと思ってます。なんか、ぜんぜん日銀の話と関係ないですね。

    >まだ始めて1ヶ月と三分の二ですので、いろいろ試行錯誤していきますw

    最近参加したのでピント来ませんが、言われてみるとそうなんですよね、そうとは思えないほどの内容になってます。相当に強力なパワーだと感服します。可能な範囲で協力させていただきますので、よろしくお願いします。