呼び水論は死んだ

<呼び水論>

むかしは、と言っても1990以前のことですけど、

景気対策に呼び水論というのがあったしそれが効果があったのです。

今も同じ考えはありますでしょう。しかし全く効果がない。

昔は不景気なときに例えば、「10兆円の景気対策」と言う言葉が新聞紙面を踊ったわけです。それを呼び水にして経済成長の好循環を生むというものです。

そしてこの発想を誰も疑うものはいなかった。何故ならそのような対策が打たれれば景気は間違いなく好転し、次の経済成長へと移って行ったからです。

勿論これに平行して、日銀は金融緩和を行いました。まさに財政と金融の両面からの景気対策が行われたのでした。

といっても日銀の金融緩和は今とまったく違って、金利を下げるだけのこと、いまのように量的緩和などではありません。そこが今とまったく違う。

それでも抜群の効果を発揮したものです。

ところで10兆円の景気対策といっても財政的には2兆円ぐらいが真水の景気対策でした。

この2兆円が回りまわって、いわゆる乗数効果を生んでその年に10兆円ほどのGDP増加の効果をを発揮するのです。

そしてあつかましいことにその2兆円のお金が株式市場にも回り、株価が場合によっては1~2割がた上昇します。それを見てかどうかは別にして、民間の企業も景気上昇の先読みで借り入れを増やし設備投資を増やします。これが更なる景気循環を生んだわけです。

くどいようですがこのメカニズムに誰も疑う者はいなかったのです。

今のリフレ論者の発想はこれを模したものではないでしょうか。ただ、財政赤字が巨額だから、財政出動しろという発想は初期のリフレ政策では全く言われていないのは知っています。

だからまず金融緩和が必要だが、財政出動も大事だと言うのが初期のリフレ論を越えた、三橋氏-藤井氏の国土強靭化路線だとの理解です。

なので、この金融政策+財政政策のポリシーミックス路線がわからないわけではありません。なぜなら今に始まった政策でなく昔からやられてきて成功してきた政策なんですからね。

そしてというかところが1990以降もこれがやられていたのです。しかしそのこと、時代が変わったから忘れ去られてしまったのかもしれません。

橋本政権時もそうですし、小渕政権時では、これすなわち、「金融緩和+財政出動」がそれまでに比べ最大巨額に行われました。

であるにかかわらず何故にそれが更なる経済成長につながらなかったのでしょう?

呼び水論的政策は死んでしまったのかもしれません。


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「呼び水論は死んだ」のコメント一覧

  1. 1
    Gokai  :

    限界消費性向と言う言葉があって、これは得られた所得金額の内何%を新たな消費に回すかという割合のことを言います。昔はこの限界消費性向が80%と言うような時代もあって、そうするとお金がぐるぐると回るので、政府公共投資の例えば2兆円が何回もぐるぐる回り、無限等比級数の計算になり、10兆円ぐらいのGDP増加を生み出していました。
    しかしここでもわかるとおり、お金はぐるぐる回利ながら増えるわけではありません。
    つまりGDPは増えるのですがお金が増えるわけではありません。
    このことはこの乗数理論でも確認できます。
    もう忘れてください。
    経済成長(GDO増加)でお金は増えることはありません。

  2. 2
    Gokai  :

    経済成長でお金が増えるなどの錯覚を続けているようでは、ほんとうに日本は沈没しますよ。
    本当にもう忘れてください。
    申し訳ないが藤井聡先生の国土強靭化理論は、基礎の経済理論の部分で誤りです。