呼び水政策は何故死んだ

<呼び水政策は何故死んだ>

経済政策における呼び水政策とは即ちケインズ政策。

その効果のメカニズムを分解すると次のようになります。

①真水の財政出動→乗数効果→短期の景気浮揚効果

①真水の財政出動→→②資産価格の上昇

②資産価格の上昇→民間の設備投資→民間の借り入れ増加(金融政策による金利低下)→消費増加→③給与所得増加

④更なる消費と資産価格の上昇、景気の好循環

 

呼び水的政策は、①を呼び水(きっかけ)にして②~④を金融政策で誘導して循環させる政策です。

 

だからこの図式を「財政政策+金融政策」と簡略化して読むことは決して間違いではないでしょう。

ただ、②~④の循環は、金融政策だけでは動きません。②~④が循環するシステムが正常に機能する構造があって、金融の刺激によって機能するのです。

ところが、1990以降の金融政策の変更でこのシステムが日本においては壊されています。

つまり、財政出動の効果で、以前は流れていたお金が資産市場に流れなくなっているし、流れてもすぐこぼれ落ちる構造になっているのです。

この構造を再構築しない限り、呼び水論的政策が成功することは、日本の経済システムにおいては、ほぼ間違いなく無いのです。

 

ではそのような構造の再構築が日本経済にとって必要不可欠かといえば決してそうではありません。

 

但しそれには、「政府債務の増加は民間へのお金の供給であって決して国家の借金ではない」のだという意識を財務省に持っていただく必要があるのです。

つまり、国際収支さえ取り返しの付かないほどに悪化させないのであれば、

永久に財政出動を続けるぐらいでも良く、

それでもし問題が起こりそうならその時点で方向転換しても問題ないということを理解して頂く必要があります。

この人的意識の問題さえ解決すれば日本経済は再び復活することが可能になります。