TPPを情勢から推測してみる

先日TPP大筋合意というニュースが朝起きた私の耳に飛び込んできました。
討論会で話題に登ったこともあり、またその前の日に拙ブログでTPPを取り上げた後すぐでしたので、自分の耳を疑ったものです。

【TPPは秘密主義】
そもそもTPPの詳細な内容は国民には知らされていませんし、国会批准の段階になってようやく内容が明らかになるのではないでしょうか?
いくら外交が政府の専権事項だとしても、経済協定の中身を国民に知らせないというのはあまりにおかしな気がします。
きっと知られたら不味いことがあるので伏せている、と考えるのが自然です。

【いずれにしても過激な新自由主義】
TPPは内容がわからなくても、恐らく過激な新自由主義的な政策だということは想像に難くない話です。
一部では「TPPはブロック経済」という見解もあるようですが、それならEUはブロック経済なのか?と質問したいところです。
枠内で過激に新自由主義をすすめたのがEUであり、TPPも同じような話になるのではないでしょうか?

【安倍政権の動向】
岩盤規制の打破だの農協改革だの規制緩和だのばかりすすめる安倍政権が「強力に推し進めたもの」がTPPである以上、TPPがこれらの政策と同様の性質なのは明々白々。
新自由主義的な政策によって民間を過激に競争させようとする性質を持つのだと思います。
競争が行き過ぎれば格差の拡大、デフレの再進行になりまたも日本国民は「失われた時」の中に放り込まれるという話になります。
また岩盤規制の打破、農協改革等々はTPP加入への準備だと見るのは私の穿った見方でしょうか?

【米韓FTAとの動向の比較】
米韓FTAは一度交渉決裂になっておりましたが、北朝鮮の砲撃のあと何故か交渉再開、批准と言う話で進みました。
安倍政権が出来る直前の選挙では自民党はTPP反対だったはずです。しかし南沙諸島での中国の埋め立て、なぜかその後180度方向転換、先日の大筋合意と言う流れで韓国と全く一緒ではありませんか?
韓国は批准後に国賓待遇で李明博大統領が訪米しました。
日本では訪米した安倍総理がTPPを推し進める演説をして国賓待遇でした。

【関税自主権の喪失】
関税自主権は我々の祖先や明治政府が臥薪嘗胆、苦心の末に不平等条約を改正して手にしたものだったかと思います。
その関税自主権を放り出し、日本国民をグローバルな競争に放り込む。これでは政府が国民を見殺しにする様なものです。
安倍政権にの歴史観は歴史、伝統、文化、祖先を無視した戦後レジーム歴史観そのものであり、彼に戦後レジームを語る資格など無いと思うのです。

【聖域は守ったのかどうか?】
甘利大臣は聖域は守ったと仰っていたかと思いますが、中身がわからないので一体誰が「米韓FTAと同じようにはならない」と断言できるのでしょう?
例えば現段階では米等々の関税が守れていたとしても、段階を踏んで0にしていくという話かもしれません。
なぜならTPPそのものが当初「原則関税0」と言われていたのですから。
更に昨今行われた農協改革等々の動きからも、私には安倍政権が信用ができません。
これで信用ができるのはどうかしてると思います。

【一国民としてできること】
TPPを阻止するチャンスは国会で批准しないことしかありませんが、恐らくかなり難しいというのが実態でしょう。
「多国間の協定のテーブルをひっくり返す」ことが現在の国会で可能でしょうか?
「アメリカ様の機嫌を損ねる」ことが現在の国会で可能でしょうか?

おおよそ私も負け戦は覚悟のうえですし、それでも我々は少しでも抵抗を示さなければならない。
それは選挙の時でも良いですし、言論を発表し続けることでも良いでしょう。もしくはTPP反対のサイトを応援し続けることだけでも良いのです。

そして負け戦のあとどうするかも考え続けねばなりません。
思考停止に陥った時こそ、本当の負けが日本にやってくるのだと思います。


このユーザーがいいねしています

  • holyfirework
  • charleyace
  • jan2002
  • reisaif

コテヤン@どうやら管理人
About コテヤン@どうやら管理人
とあるご縁でブルーオーシャンを立ち上げることに… YouTubeでは高橋聡として動画投稿しております。 チャンネルへ |  反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地(毎日更新) |  進撃の庶民(毎週月曜寄稿)

「TPPを情勢から推測してみる」のコメント一覧

  1. 1
    holyfirework 灯火  :

    〉そもそもTPPの詳細な内容は国民には知らされてい ませんし、国会批准の段階になってようやく内容 が明らかになるのではないでしょうか? いくら外交が政府の専権事項だとしても、協定の中身を国民に知らせないというのはあまりに おかしな気がします。 きっと知られたら不味いことがあるので伏せてい る、と考えるのが自然です。

    全文同意です。
    ただ、国会批准の段階になっても、公開されるのは、国会議員のみだと思います。
    何故なら、アメリカがまさにそうだからです。
    そして、TPPは、ネガティブリスト方式です。話し合いをしない分野については、(外国に)全面開放するというのが基本原則です。
    今まで話し合われた形跡のない、医療(国民皆保険)・労働(移民に繋がる人材の移動)・訴訟法制(ISDやラチェット条項に絡む司法と法制のアメリカ化)など、懸念点は数多くあります。
    『「知る権利」を無視した国民不在の秘密交渉』これこそ、TPPの本質であり、憲法違反の越権行為なのではないでしょうか。

  2. 2
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>灯火さん
    全くもって仰るとおりで、しかも中身がわからないからどの程度危険なのかも判断ができないし…
    大阪都構想より悪質で「内容の分からない契約書へサインを勝手にされる」話なのだと。

    大阪都構想が詐欺師の仕業だとしたら、TPPは身分証明書偽造で勝手に契約されてるようなもんです。

  3. 3
    Gokai  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん
    >思考停止に陥った時こそ、本当の負けが日本にやってくるのだと思います。

    お尋ねします。
    TPPはISD条項やラチェット規定などがあって、まさにコーポラティズム社会構築であって、民主主義からはかなり遠い制度での運営なのはわかりますが、そのほかにどんな問題があるのでしょうか?
    http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/5ac2f6322be641ed90aef892b78e090d
    たとえば、GDPは減少しますか?

  4. 4
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>Gokaiさん
    GDPは内閣府の試算によると累計10年で2.7兆円の増加だそうです。
    (内閣府の経済シミュレーションモデルが変なモデルですので、私自身は余り信用していなかったり…)
    あ、内閣府の経済シミュレーションモデルについては、重要だと思ったのでデータベースに上げさせていただきました。
    http://anti-neoliberalism.top/10/6367/

    原理的に考えますと(TPPの中身が未だ公開されてないので…)、自由貿易を緩和する=輸入するものにより国内の生産者の競争増える=競争の激化=デフレ圧力
    となるのではないかな?と。
    消費者=労働者の図式に近いので(扶養家族等々も含め)、過激な自由競争、過激な自由貿易には反対なのです…

    なので恐らくですが内閣府の2.7兆円GDP(10年累計)がプラスになるという試算はは、余りあてにならないかなと。
    むしろ再デフレ圧力によってGDPが減少するかも知れない…という危惧を抱いています。

    TPPの問題点は国家主権が脅かされる、デフレ圧力が高まる、農業等々の食卓の安全保障が脅かされる等々になるかと。
    (なんせ二十数分野においての協定ですから、一言では言い表せない?的な)

    P.S
    ・・・Gokaiさんのご質問はいつも鋭いなぁとw
    しかも鋭いのに私の意見を補足&強化してくれる形でご質問頂いてるので、ありがたい&「よくそこまで頭が回るなぁ…」と思ってますw
    あ…思ってるのは私自身ですがGokaiさんは議論というかまっとうなご質問を述べられてるだけかも?
    んでまっとうに返す、というのが議論ってものなのかもしれません。ディベートじゃなくて。

  5. 5
    Gokai  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん
    TPPのもともとの発祥がというのがありますがいまはそれがどうであれ、確実にTPPが利用されているのではないかと思うのです。
    Gokaiの目から見れば、バブルを崩壊させたことも年次改革報告書のこともTPPのことも一連の筋書き上にあることなのではないかと映ります。
    その一方、アメリカは対外純負債が540兆円ほどに膨らんでいて、これが雪だるまのごとくに増え始め、止め処もないドル暴落へのカウントダウンが迫っていて、基軸通貨制の崩壊というとんでもないイベントが口をあけているのじゃないかとも心配しています。
    もしこのようなことになれば、日本がいままで積み上げてきた努力が水の泡になりかねない恐れもあるわけですからね。
    で、それを回避する方法が、日本の失われた25年と関連していそうな気配もあって、そんなこんなでやはり正しく現状を理解することがすることが欠かせません。
    GDPとはなにか、国際収支とは何か?
    経済学の積み上げてきた規制の知識だけでは解決できなかったという事実があることを念頭に、
    さまざまを正しく理解したいものです。

  6. 6
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>Gokaiさん
    これは仰るとおりで2008年を転換点として、世界は「未だ活で誰も知らない領域」に入ろうとしているのかもしれません。
    しかしいわゆる経済も所詮は人間の営みなので、私自身は歴史に類例があるのではないか?等々、他の学問(私は修めてませんがw)も含め多角的に「現実がどうなのか?」「解決方法はどうなのか?」ということを考えていかなければ…と思っています。

    ドルの基軸通貨陥落は歴史の流れの中で大いにあり得ますし(無いほうがおかしい)、それがもしかしたら今なのかもしれません。
    こう考えると我々は「歴史の教科書にのる時代」を生きているのかもしれませんね…

    仰るとおり、激動の時代たる現代を生きる我々は「起こっていることを正しく理解する」、そのことが正に求められているのかもしれません。