TPPは私たちの最後の希望を打ち砕く

先日のチャンネル桜の討論会において、脇雅史議員、西田昌二議員、討論に参加している国会議員お二方の考えが、TPPそのものに懐疑的であることは変わらないものの、「当初の関税ゼロにすると言うTPPとは変わって来ている、。中身を見てみないと分からない。」(脇議員)、「最悪の状況ではなくなった。」(西田議員)と言う発言から、あまりにもその影響を軽く考えている事への驚きがありました。

脇議員、西田議員は共に財政政策による経済成長を重視される立場を取られていると思いますが、特に西田議員などは北陸新幹線とリニア新幹線の大阪そして関空への接続を図り、それにより大阪を中心とした九州、四国、中国、近畿、北陸、中部地方を取り囲む「近畿メガリュージョン構想」を唱えられる立場でもあります。

TPPは多くの分野にまたがって実に様々な問題がありますが、その中には西田議員や我々が考えている財政政策による経済成長、それも日本国民を豊かにする形での経済成長を図るという考え方を破壊する可能性を秘めている分野があるのです。

それは「政府調達」の分野です。

政府による物品やサービスの購入、施設の建設などを指すものですが、ここには公共事業を含む政府の支出の多くが該当します。実はすでに日本は「WTO政府調達協定」を取り交わしており、日本政府、各都道府県は原則、協定に定められた基準以上の規模の政府調達に関しては海外企業にも競争入札の参加を約束しています。

問題はこの対象が拡大する可能性があることです、実際加盟済みのチリでは市レベルまでが対象となっています。つまり市区町村レベルの公共事業でも、大型案件は国際競争入札となるという事です。

地方の中小建築・土木会社は、これにより海外企業との競争にさらされる可能性があるのです。しかも国によっては、自国や途上国の安い労働力を活用することを前提に価格を決める例は少なくないようです。TPP交渉参加国ではありませんが、実際韓国企業が落札した建築現場では、東南アジアの労働者を使って施行している例も多く見られるそうです。

仮に「近畿メガリュージョン構想」、北陸新幹線、リニア新幹線を大阪に接続させる事業が始まったとしても、日本の企業がその工事を請け負い、日本人を雇用し、日本人労働者の賃金を上昇させていくとは限らない、というよりも絶望的ともいえる状況となる可能性があるのです。

つまり、経済は成長するかも知れませんが、日本国民を豊かに幸せにする政策にはなり得ないわけです。

財政政策(公共事業)による経済成長、「国土強靭化計画」により防災、減災効果、「近畿メガリュージョン構想」による大阪を中心とした地方活性化までをも否定するつもりはまったくありません。ただあまりにも残念でならないのです。

経済成長を果たしつつ、防災、減災対策も行え、しかも日本人の生活を豊かにしうる、まさしく日本ならではの「三方良し」の政策でした。これを行いうる環境にあったのが我が日本だったのです。

安倍政権が誕生してから、私たちは次々と希望を裏切られ続けてきました。そして最後の希望が財政政策(公共事業)による経済成長、そして日本国民の豊かさだったのです。

これをしてくれれば、これにより経済が活性化してゆけば、さしもの安倍政権の面々も理解せずにはおれないだろう、未だに多くの日本国民が安倍政権を支持し続け、その安倍政権がネオリベ政策をどんどん推進していくなかで、最後の頼みの綱であった財政政策(公共事業)の日本国民を豊かにするという効果が無になることはないにしても、半減することは間違いなく、さらに外国人労働者を呼び込む事にも繋がり、財政政策(公共事業)を行えば行うほど、日本の社会は破壊されてゆく事にもなりかねないのです。

こう考えていくと、金融政策と財政政策とのポリシーミックスにより経済を成長させ日本国民を豊かにするという、安倍政権誕生時、アベノミクスなる政策に私たちが抱いた希望を、このTPPという化け物は完全に破壊する可能性を有しており、到底容認できるものではありません。

これから国会による批准が図られるわけですが、出来うる限りの反対行動をとらねばならないと考えます。


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  • コテヤン@どうやら管理人
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  • charleyace
  • jan2002

「TPPは私たちの最後の希望を打ち砕く」のコメント一覧

  1. 1
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    渾身であり魂身のコラムだと思います。
    自立し、自分達の足で歩かなければ…

  2. 2
    noranekoma のらねこま  :

    やす 様
    はじめまして、
    TPPの政府調達の件、とても問題があると思います。

    もしご存じなら教えていただきたいのですが、この場合の政府調達において、もし海外の企業が受注した場合、資材および労働者はすべて持ち込み可能なんでしょうか。たとえばTPP域外の中国の材料だけを持ち込み、中国人労働者を連れてきて工事する、なんてこともやられてしまうんでしょうか。自動車だと「域内調達率」なんて縛りがありましたが、政府調達は無関係なんですかね。だとしたらご都合主義のような気が。

  3. 3
    baiannmidareame やす  :

    >>のらねこまさん

    コメントありがとうございます。

    実は「政府調達」については、今のところ「WTO政府調達協定」の内容を、それに参加していない国々(オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ブルネイ)に守らせる。との情報以外は分かりませんでした。

    つまり「政府調達」における「外国人労働者や資材への規制」に関しては不明です。

    もう少し、事例を探してみます。

    ただ、TPP大筋合意内容(これについても本当にきちんと合意されているのか不明)はあくまでもアリの一穴ですので、そうなる可能性は高い、と言うことでして・・・。

    いい勉強になりました(汗)

    私が参考にした著作は「TPPが日本を壊す 廣宮孝信 青木文鷹」です。

    ぜひ、拝見してみてください。

  4. 4
    baiannmidareame やす  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    ありがとうございます。

    日々、勉強ですね(汗)

  5. 5
    noranekoma のらねこま  :

    >>やすさん

    返信ありがとうございます。まだ細かい内容は公開されていないかも知れませんね。WTO政府調達協定というのがあることは初めて知りました。こいつが問題のようですね。

    可能なら国内規制で労働者や資材を日本で調達するように(資材はすでに中国が多いでしょうが)して欲しいですね。そうすれば、外国企業が受注した場合でも被害は抑えられます。ただしISD条項で日本が訴えられるんでしょうか。だからISD嫌なんですよね。

  6. 6
    baiannmidareame やす  :

    >>のらねこまさん

    WTO政府調達協定の問題については、例えば日本は土地に関して外資による取得を留保しないことを認めているとのことで、つまり水源地などを外資から保護するようなことは、TPPにおいては安全保障上必要な規制は訴訟の対象にならないようなのですが、このWTO協定で違反となるとのことでして、日本政府はTPP以前にいろいろとやらかしているようです。

  7. 7
    noranekoma のらねこま  :

    >>やすさん

    なんと、水源地などを外資から守れないWTO政府調達協定は危険ですね。それにしても、自由自由と言ってますが、金儲けの自由はどんどん拡大してますが、政治手法の自由、市民の意思決定の自由はどんどん失われてます。資本家のための自由、拝金主義の自由だけは特権なのかよ、ですよね。

  8. 8
    baiannmidareame やす  :

    >>のらねこまさん

    平和で豊かで個人の自由が最大限尊重され、人々がそれらを当たり前のように享受でき、個人個人の才能によって地位や富を得る事を人間としての「成功」と考える社会に我々は生きている訳です。

    得た地位、得た富、「成功」の為にさらに高みを目指す訳です。それが「正しい生き方」なわけですからね。

    戦後的価値観の最大の問題は、ここらあたりにあるのかなーなんて思ったり、考えすぎかなーとか思ったりしています。