「公(おおやけ)ごと」と「私(わたし)事」

まーた、橋下さん率いる大阪維新がやらかしてくれました。

なんと、大阪維新はABC朝日放送の番組にコメンテーターとして出演する藤井聡京都大大学院教授が政治的公平を定めた放送法4条に違反するとしてBPOに調査を申し立てたのですが、その根拠が藤井氏が自民党推薦候補者に送ったメールなんだそうです。

これについては、こちらブルーオーシャンのコラム

「維新の言論弾圧を許すな!」に詳しく書かれていますので、ぜひ、ご一読ください。

http://anti-neoliberalism.top/10/10860/

正直、いろいろと突っ込みどころはあります・・・

勝手に人様のメールを入手してんじゃねーよ!

しかも、それを堂々と広言するなんて恥って言葉、知らんのか!

特定の支持政党のあるコメンテーターなどいくらでも出演しているだろ!

辛抱治朗さんはどうなんだ!むちゃくちゃ言ってんじゃねーか!

(ラジオでしゃべってんの聞いて見てください、ヒドイですよ)

などなど、あるのですが、今回、私が気になったのは当のABC朝日放送の対応なのです。

なんと、ABC朝日放送、「11月の大阪府知事選、大阪市長選のダブル選挙の投票日まで間もなく1か月になる」ので、「大阪維新の申し立てとは無関係」に、藤井教授の出演見合わせを決定したのです。

・・・どこの誰が「大阪維新の申し立てとは無関係」なんて、信じるのでしょうか?

百歩譲って、それが本当だとします。ですが、世間はどう見るでしょう?

「ABC朝日放送、大阪維新の圧力に負けやがった、それとも裏で手を結んでんじゃねーのか?」

なんて考えますよね?と言うか、そう考えない方がオカシイでしょう。

私が気になったのは、当のABC朝日放送側が世間からそう見られると言う事に思いをはせなかった事、なのです。

例えば、お笑い番組のプロデューサーが、こっそり裏でスポンサーから「あいつ出すのヤメロ!」なんて言われて、めんどくさいからあの人には降りてもらおう・・・なんて事なら、理解出来なくはないんです。良い悪いの話じゃないですよ。それって言ってしまえば「公」ごとになっていない話なんです。つまり、まだ「私」事の範囲なのです。

ですが、今回の「大阪維新」の問題は政治の話であり、「公党」から「BPO」に申し立てられた問題、つまり世間の人がみんな知っている、「公」ごとになってしまった問題なのです。

「私」事ならば、怖い、しんどい、めんどくさい、なんて理由で行動しがちですが、「公」ごとに関しては、どう行動するべきなのでしょうか?

つまり、「建前」にすぎない事ではあるが、その「建前」を押し通さなくては世間が納得しない、自分の中でもそれが正しいと感じる事を行わねばならないのが、「公」ごとではないかと思うのです。

ABC朝日放送は「大阪維新」から「BPO」に申し立てを、自分の番組に受けた。

しかし、その申立ては、「公党」による政治的弾圧と世間に受け止められかねないものであり、その根拠が私メールと言う、その入手手段が問われかねない物であること、などを考えた時、ABC朝日放送にとってこの「公」ごとに対処する手段は、その申立ては到底受け入れられない事、公党による政治的弾圧には屈しない事、より政治的中立性を保つため「大阪維新支持」の識者を出演させる事、そう返答する以外はありえなかったのではないかと思います。

しかし、ABC朝日放送は屈したわけです。

彼らにとって「公」ごとは、「私」事になってしまった訳です。

「神との契約」という概念に乏しい我が日本では「お天道様(人様)が見ている。」と言うことほど、人間の行動を律する事はありませんでした。

「お天道様(人様)が見ている」事が「公」ごとであり、そこには自分を律する価値観があり、それが日本人を日本人たらしめて来たのです。

今回のABC朝日放送に限らず、今の日本から失われようとしているのは、「公」ごとと、「私」事との、厳格な区別ではないでしょうか。


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  • コテヤン@どうやら管理人
  • holyfirework
  • jan2002

「「公(おおやけ)ごと」と「私(わたし)事」」のコメント一覧

  1. 1
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    マスメディアの萎縮ぶりには本当に呆れるものばかりです。
    社会の木鐸たる所以を忘れてしまったかのような、ジャーナリズムにも問題山積みです。

    >今の日本から失われようとしているのは、「公」ごとと、「私」事との、厳格な区別ではないでしょうか。

    正に納得がいく見解であり、そうであれば残念だという一言です。
    放送局としての矜持は一体どこに羽を生やして逃げていったのか…と思うのです。