TPPとは何者なのか?概要だけで200ページに及ぶ自由貿易協定

非常に危惧を持って反対をしていたTPPですがその概要や条約の全文(日本語なし)が漏れ伝わるようになったようです。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf

TPPに関しては細かい話もたくさんあるようですが、本日は有害だと思われるところを大まかに書いていこうと思います。
(といいますか筆者は細かい話が大の苦手ですwそこら辺は学者さんや有識者の方々におまかせをしたいなと…)

まずもって第一にあげられるのがラチェット規定とISD条項です。
簡単に説明しますとラチェットというのは「一方向にしか進まない歯車」のことだそうです。つまり一旦規制を緩和したら、規制強化は認めへんで!というものです。
そしてISD条項とは日本の法改正によって外国企業が損害を受けた(と思われる)場合に、外国企業がその国を訴えることが出来るというものです。

この2つの条項は大変に危険な毒物であり、新自由主義的な市場開放政策しか打てなくなる、という想定が出来るかと思います。
それが意味するところは、仁義なき競争という名の収奪経済になろうかと思います。

「いやでも、双務条約やからアメリカも一緒やん?条件」
と思った方もおられるかもしれませんが、NAFTA(北米自由貿易協定)においてもISD条項はあるのですが、アメリカ企業がカナダ、メキシコに対して訴えて勝率3割。
そしてアメリカが外国企業に訴えられて敗訴0という数字があります。
ここからも分かる通り、アメリカにとってISD条項というものがいかに有利なのかを示す一つの数字なのですが、これをもう少し日本人は真剣に考えなければならないと思います。

さらに例えば米韓FTAにおいて韓国の官僚が以下の様な言葉を残しております。
前大統領政策企画秘書官のチョン・テイン氏によれば「主要な争点において、我々が得たものは何もない。米国が要求することは、ほとんど一つ残らずすべて譲歩した」

米韓FTA締結後にオバマが言ったことは「米韓FTAによって7万人の雇用が増えた」なのですが、これは逆に韓国から7万人の雇用が奪われたことを意味します。
そしてTPPにおいてもオバマは「雇用、雇用」と言い続けておりまして、我らが安倍総理のように「価値観を同じくする国家がどうのこうの」などという眠たい抽象論は一言も言っていません。
つまりTPPはオバマによると、アメリカの雇用を増やすための政策だとなります。
逆説的には他のTPP参加国から雇用を奪うということになろうかと思います。

これもオバマは一般教書演説だったかで明言しておりまして
「今後アジアはアメリカに輸出を出来ると思わないことだ。むしろもっと輸入しろ」
ということを言っております。
またあらゆる製造業の国内回帰を目指しているのも明確ですし、オバマはアメリカの国益を考えた近隣窮乏化政策に舵を取ろうとしているのは明白です。

まずもって上記のような事実がTPPの前段の状況であり、この中で出てきたのがTPPという構想だろうと思うわけです。
どこかの国の首相のような「価値観を同じくする国同士がど~のこ~の」「アジアの成長を取り込むど~のこ~の」という理想主義的な政策では決してないことだけは頭に叩きこまなくては行けません。

1911年に小村寿太郎によって日本は関税自主権を苦労の末に手に入れたのですが、ちょうどその100週年の2011年に菅直人元総理によってTPPが持ち上がりました。
どんな悪い冗談なのかと呆れ返ったものでしたが、当時の自民党は「TPP断固反対」を唱えて2012年の選挙を戦い勝利した途端に、TPP交渉参加を決めました。
片山さつき議員によると「状況が変わった。民主党が交渉することは反対だ!という意味だった」と意味不明の謎論理で釈明する始末です。

こんな馬鹿げた状況で進められる政策に「良い物」があろうはずがありません。

面白いことに米韓FTAとTPPには状況的な類似点が多々見られます。
米韓FTA提携の前は韓国国会はたいへん抵抗しておりまして、一時期は交渉決裂まで言ったのです。
ところが北朝鮮の砲撃があった途端に、何故か交渉再開をして締結、李明博大統領はアメリカに国賓待遇で招かれ大満足の笑顔を浮かべておりました。

日本は2011年に菅直人が突然「平成の開国だ」などとTPPを取り上げるも、翌年に自民党が「TPP反対」を掲げて勝利。
ところがこの頃から南沙諸島における中国の脅威が始まり、自民党は何故かTPP交渉に参加。
安倍総理はアメリカに国賓待遇で招かれ「日本とアメリカの出会いは、日本が初めて民主主義に出会った」等と恥ずかしい演説を得意満面でしたわけです。
※ペリーによる砲艦外交と開国要求、不平等条約を「民主主義との出会い」というのには呆れ返ったものです。

上記2つの類似点はどちらも「安全保障がやばい」という危機感から、アメリカ様に国内市場を献上して守ってもらおうと言うものに見えるのは私だけでしょうか?
しかしながら経済的な結びつきと軍事的安全保障は、何の関係もないことは残念ながら第一次グローバリズムの時に証明されております。

21分野に渡る自由貿易協定でむしろ、日本の安全保障(エネルギーや農業、国内産業、インフラや医療等々)はむしろ弱まるのではないか?と筆者は非常に心配をしております。
筆者自身も下記のサイトの原告になろうかと、現在検討中でございます。
またブルーオーシャンも賛助団体として参加できるかどうか?も検討をしております。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会
http://tpphantai.com/

ぜひとも皆様にご意見いただき、12月中旬に発表させていただく「進撃・ブルーオーシャン勢力化計画」というご提案の中に織り込んでいけたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。


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  • まさ

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「TPPとは何者なのか?概要だけで200ページに及ぶ自由貿易協定」のコメント一覧

  1. 1
    まさ まさ  :

    日本政府は意図的にTPPの本質を隠しています。6000ページの原文を読んで解析する英語力と各専門知識が必要です。今はgoogleである程度機械翻訳出来ますので、各自の専門分野をgoogleで機械翻訳し、日本語の正文に直し、このブルーオーシャン内で発表し、議論すべきです。