現在の戦争、紛争における考察と安倍政権

最近は世の中がえらく「きな臭く」なってきております。
例えば中東情勢しかり、EUしかりパクス・アメリカーナ(アメリカ一極支配)しかり、中国しかり。

まさにそこにかしこに戦争の火種があるような状態でして、決して楽観視出来る状態ではないと筆者は感じています。
中東情勢なんかはもうなにがなにやら?でありまして筆者には詳細に論じる情報も術もない状態です。
なのでしっかりと「戦争」というものを見つめた上で、論を述べていきたいと思います。

さて、戦争論という大古典の著者、クラウゼヴィッツはプロセインの軍人であり中世から近代への変わり目で生きた人であります。
そして彼の慧眼は驚くべきことに近代の戦争は「国家の総力戦」になると論じており、さらにその後に「ゲリラ戦」があると論じた人であります。
まさに第1次世界大戦、第2次世界大戦を経てのベトナム戦争すら予期していたのか?という如くです。
※ちなみにクラウゼヴィッツの戦争論を読むのであれば、解説書をおすすめします。言い回しがわかりにくすぎて原著(翻訳されたものも)は難しすぎます。

彼によりますと近代国家間の戦争とは「外交(政治)の延長」であるということです。
人が死ぬ戦争を「外交(政治)の延長」と言われると、違和感を覚える方がいらっしゃるかもしれませんが、日本はデフレになってから自殺者が1万人多くなっております。
かれこれ18年位続けておりますので、18万人が「政治」の犠牲になったと言っても過言ではないでしょう。
ここで考えていただきたいのは、政治は「人を殺す」のです。戦争にかぎらずその方策を誤れば。

さて、当時は民主主義が台頭していなかったかと思いますが、それであればこそ彼は国家の本質をえぐる「戦争論」という著書をかけたのではないか?と筆者は思っております。
なぜならば日本を見ていただきたいのです。
デフレで18万人程度の日本人を殺しておいて(デフレと相関関係はあるそうです)、誰も責任を取ろうとしないのが「民主主義」というシステムだと思うのです。
(だからといって、民主主義よりマシな政治形態があるかと言われると答えに窮するところです)
プロセインは王国でありましたので、責任の所在が明らかですが、民主主義においてはその責任の所在は国民一人ひとりに帰するところなのです。

さて、そんな民主主義における戦争を考えていきましょう。
※デフレとは筆者は戦争状態と同様である!と強く断言しますが、多くの日本国民はそれに気が付かず、正に茹で蛙のごとくです。

まずは戦争の形態は2つに別れようと思います。
1)直接的な軍事紛争
2)間接的な経済戦争

直接的な軍事紛争、戦争についてはわかりやすくナショナリズムも高揚し、国民国家としては打てる手がかなりある、というのが実態でしょう。
これは過去の歴史を見ても明らかであり、ありとあらゆる手段が国民国家において使われ、ナショナリズムの高揚から国民も比較的国家に協力的であろうと思います。

筆者がデフレを「戦争状態と同様である」と定義したとおり、経済戦争においては上記のような状況にはなりません。
緩慢にそして悪辣に国富が収奪され、国民はそれを「しょうがないことだ、いやむしろ進んでやるべきことだ」と洗脳し、日本自ら国富を進んで差し出す事態になり得るのだと思います。
その一例として年次改革要望書や日米構造協議等々のめいれ…じゃなかったアメリカ様からの要望を否応なく受け入れ、TPPの世論調査では過半数以上が賛成という情けない状況であります。

この界隈で反新自由主義・反グローバリズムの記事やコラムを目にされている方々なら、これが異様に情けない状況であることはご理解いただけると思います。
これはアメリカとの経済戦争である、と言っても差し支えないのではないでしょうか。

さて、世界に目を向けてみますとパクス・アメリカーナは2003年だったかのイラク戦争及び2008年のリーマン・ショックで消滅しました。
アメリカの大統領の諮問機関で「グローバルトレンド2030」という文章が発表されました。
これは過去の世界的な覇権や時代の激変の年を挙げて、いま正にアメリカもそのような状況にいる、つまり一極支配の終焉だとしております。
2011年にはアメリカの高名な軍人がレポートで「アメリカは既に中国と戦争を出来無い」ということも書いております。(上記文章とは別)

軍人のレポートによれば現代の戦争で語られるのは陸海空の軍事力だけではない、むしろ宇宙戦及びサイバー攻撃が主だということです。
つまりアメリカ空軍、海軍の聴覚、視覚たる衛星、そしてアメリカ国内のネットを攻撃すれば事足りる、相互破壊による抑止力が担保されるというものです。
この軍人のレポートによれば中国は2011年段階でこれらの力を身につけ、数時間~数日のうちに衛星及びサイバー攻撃によってアメリカを無力化出来る能力を有すると論じております。
勿論ながらアメリカもその能力を中国に対して有しておりますが、だからこそ相互破壊における抑止力となり、アメリカはもはや中国と戦争できないわけです。

上記のようにアメリカがパクス・アメリカーナ(一極支配)をおりた後、世界は多極化を迎えることは恐らく必定でしょう。
各地域で地域覇権を唱える国が出てきて、その地域はその国の覇権により安全保障を担保するという状況になるでしょう。
中東はどうか?というともはや戦国時代の様相なのではないでしょうか?
EUは文化の共有、歴史の共有がありますのでそこまで一気に行くかどうか?むしろアメリカの西太平洋の覇権についで安定するような気がします。
アジアはどうか?中国が覇権を虎視眈々とというよりも、すでにその思惑を隠さずに進めてきました。
ロシアは既にこの状況を把握して、ユーラシア大陸における覇権と中東におけるプレゼンスの確保に動いているように見えます。

そして我が日本は未だに「価値観外交」などという幻想にとらわれ、有意な方策を打ち出せていないように思えます。
もう一度言います。パクス・アメリカーナは消滅しました。世界の警察は今や存在しないのです。

クリミアにおけるアメリカの態度は「経済制裁のみ」でありました。
尖閣諸島におけるアメリカが「軍事介入してくれる」という論拠がどこにあるのか?ここを少しだけ考察したいと思います。

民主主義における戦争とは「国民の大多数の総意」によるものであります。
であれば国民が厭戦気分に浸っている国で、尖閣諸島などという「異国のちっぽけな島」の防衛にアメリカ人が手を貸してくれるでしょうか?
(厭戦気分なのは各種のアンケート調査、世論調査を見ても明らかであります)
つまりプロパガンダを繰り広げ「中国は敵だ!」という話に、アメリカ国内がならないと尖閣諸島防衛なんぞ夢のまた夢となります。
そしてそれはアメリカの構造上「不可能である」と申し上げておきます。
新自由主義がもっとも蔓延した国であり、0.1%の富裕層が大統領選挙での応援で100億円、200億円使う国でそれが「可能」だと思うほうが間違いです。
(加筆)
やや説明不足の感がありますので加筆します。
アメリカの富裕層、いわゆるウォール街の住人ですとかは、中国でしこたま儲けたわけです。
今後も中国が儲かる国であれば戦争はしたくないでしょうし、儲からなくなれば(バブル崩壊など)他に行って中国に興味がなくなるだけです。
そして重要なのは中国経済が崩壊したとしても、中国が太平洋への野心を諦めるかどうかとは別問題、むしろ内政が不安になれば外征にというのはまま見られるパターンです。
その時にアメリカの富裕層が正義の味方よろしく日本を助けてくれるか?というとかなり疑問符がつく話です
(加筆終了)

最後にこう申し上げます。
グローバリズムが戦争を招く火種になるのだ、各国が経済的に密接になるほど利害関係が密接になるという話なのだと。
また金融危機等々はグローバリズムによって引き起こされ、グローバリズムによって世界中を駆け巡り、グローバリズムによって国民国家の国民を貧困にする。
それがナショナリズムの台頭(つまり政府がどうにかしろ!という話)につながり、戦争を引き起こす引き金になるだろうと。

P.S
今日は仕事の終わりに書いてみましたが、むちゃくちゃぶわぁ~っと溢れてきてww
脳みそがややオーバーヒート気味のようです。筆者自身はこのように分析し、思うのですが皆様の意見、議論を是非お願いします!


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  • holyfirework
  • まさ

コテヤン@どうやら管理人
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「現在の戦争、紛争における考察と安倍政権」のコメント一覧

  1. 1
    まさ まさ  :

    こんにちは。
    現状認識は同認識です。

    後は各論で、ブルーオーシャンはこの事態にどう立ち向かえるメディアに成長できるか?が問われます。
    現状に甘んじている場合ではありません。

    我々は、一歩先に進まねばなりません。

    まさ

  2. 2
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>まささん
    こんにちは~
    ようやく仕事地獄が完了しましたww
    ブルーオーシャン関係のことにも少し時間が割けそうです。

    仰るとおりで、どうやってアクセスアップしていくか?成長していくか?言論に少しでも影響があるようにしていくか?を考えねばならないですね。

  3. 3
    まさ まさ  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん お疲れ様です、アクセスアップ その通りですね。

  4. 4
    まさ まさ  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん お疲れ様です、アクセスアップ その通りですね。

  5. 5
    noranekoma のらねこま  :

    こんにちは、
    世界各国をそれぞれ支配している支配階層の連中の思惑によって戦争が行われ、大衆が扇動されて戦争を行い、実際に血を流すのは大衆なんですね。巨大マネーを支配する連中はまったく危険のないところに住んでいるでしょうから。そんな気がします。暗い話だわ。

    仮に尖閣諸島が中国共産党に支配された際に、米国が武力攻撃しないまでも、本気で経済制裁するかどうか、英・独などが経済制裁にきちんと加わるかどうか心配です。中国の貿易依存度から考えれば、世界が強力に経済制裁すれば暴動で内部崩壊というシナリオに期待してるんです。甘いですかね。

  6. 6
    まさ まさ  :

    >>のらねこまさん  中国に制裁はないと思います。

  7. 7
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>のらねこまさん
    う~ん、世界が本気で中国に経済制裁ですか。
    実は経済制裁ってそこまで効果がないという話もあったりしまして。

    1997年にロバート・A・ペイプという国際政治学者が論じているようです。(中野剛志著からの聞きかじりですがw)
    簡単に言うと近代国家がかなり強靭なものである、という仮説らしいのですが、中国を近代国家と見ないなら、経済制裁も効果があるのかも?という論証も成り立ちそうです。

    もう一点は多国共同の経済制裁は必ず足並みが乱れる、ということがあろうかと。
    英、独あたりは中国への依存度が高いみたいですので、足並みが揃わないような気もします。
    私なんかは大体悲観論にたって、最悪を想定してコラムを書くのが癖なのですが、中国崩壊が一番日本にとっては楽な展開だろうなぁと。
    あり得ないわけじゃないですしw

    ・・・ただ押し寄せるだろう多数の難民、中国の核がソビエト崩壊の時のようになる等々の懸念事項もたくさんありますが。
    全くなんて迷惑な国なんだ、中国はw

  8. 8
    noranekoma のらねこま  :

    >>まささん

    国際社会が中国に経済制裁というのは、やっぱ無いんですかね。日本の島と領海のことより中国でビジネスする方が彼らにとってはメリットあるでしょうから。ただし、そういう現実を目の当たりにすることになれば、日本人も目覚めるような気がします。

  9. 9
    noranekoma のらねこま  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    そうですか、経済制裁はあまり効果がないんでしょうか。確かにロシアも制裁食らってますが、今のところ大きな国内問題になってませんし。中国の製品を買う国が激減した場合にどのような国内対策が取れるのか、実際に起きてみるまでなかなか想像できないところです。少なくとも独裁国家なので経済統制はしやすいですね。自分も中国崩壊(というか民主化)を積極的に仕掛ける方に賛成なんです。難民は来たら困りますけど。いやホントに迷惑な国です。

  10. 10
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>のらねこまさん
    中国が分裂、民主化が一番良いシナリオでしょうねぇ。
    逆に分裂しないで民主化したら、また尖閣諸島狙ってきそうです。

    ・・・・・日本が太平洋のど真ん中に移動できたらと、いつも夢想してしまいますww