学者では美味しい料理は作れぬ

本日は一風変わったところから、経済や政治の話に切り込んでみます。
なおこちらは初級者向けの記事ですので、かなり端折っている部分もありますがご了承下さい。

さて、筆者は10代のころ4年ほど料理の世界で生きておりました。
とは行っても高級料理というわけでもなく、普通の町中によくある洋食屋さんです。
そこで毎日、パスタ作ったりとんかつ揚げたり、ハンバーグこねたりしてたわけです。

そんな経験もありまして今でも大の料理好き、毎日ほぼ自炊して適当に料理してるのですが、みなさん美味しい料理のを作る秘訣ってご存じですか?
それはひとことで言うと、おいしいかどうかを判定できる舌になることです。もっと簡単に言うと「美味しい料理をたくさん食べること」です。
逆に言えば美味しい料理を食べたことがない人に、美味しい料理を作ることは不可能というわけです。

さて、本題に入っていきます。
学者は美味しい料理を分析することは出来そうです。
例えば塩分濃度が○%でバジルの香りは○○と○○が主成分で、パスタは○分間が茹でる最適温度でど~のこ~の。
ポトフは煮込んでいる時に味がしみるわけではなく、分子のど~たらこ~たらで冷める時に味が染みこんでど~のこ~の。
出汁は動物性アミノ酸と植物性アミノ酸の相乗効果で、脳が10倍以上旨味を感じるようになるど~のこ~の。

上記のように分析が出来たとして、では学者に美味しい料理が作れるか?と言うと結構疑問だったりします。
旨味成分を重視する学者の行き着く先は化学調味料でしょうし、塩分と栄養等々の健康を考える学者の行き着く先は病院食です。
(最近は病院食もおいしいものがあるそうですね、あまり食べたことがないのでよく知らないのですが)
(化学調味料も家庭料理ならば使いようによっては有効です。ちょっとうまみが足りない時には少量どうぞ)

多分ですが料理というのも一種の実践的な学問というふうに考えると、合点がいきそうです。
つまり理屈をいくら並べ立てても美味しい料理は出来ませんし、美味しい料理を作るためには理屈より経験と歴史というわけです。

例えば旨味というものが発見されたのは1908年、東京帝国大学・池田菊苗博士によってであります。
それまで西洋では甘味、酸味、塩味、苦味が料理の味を構成する要素だと考えられてきました。学者の間では。
(辛味は痛覚でして、味覚とは別のものです)

しかしながらフォン・ド・ヴォーという西洋出汁も仔牛の旨味成分と、野菜の旨味成分を抽出するものですし、日本の出汁も昆布とかつおからなる植物性と動物性の旨味を抽出するわけです。
つまり学者は上記のように味覚は4要素と考えていたのですが、料理人は昔から経験則として旨味というものがあると知っていたのでしょう。
上記のようなことからも料理は実践的な学問と捉えられるんじゃないかと思います。

さて、やっとこさ経済に話を移しましょう。
日本や世界は主流派経済学者のいうことを信じて、新自由主義的な政策やグローバリズムを推し進めてきたわけです。
彼らの理屈と紡ぎだされる数式ではこれで「おいしい経済状況」が出来るはずでした。
ところが現実に目を向けてみると日本は失われた20年とデフレと不景気、世界は度重なる金融危機と世界デフレの危機。
ユーロ圏はシェンゲン協定の新自由主義的理念を捨てて国境を高くしつつあり、中国はグローバル市場に組み込まれたその巨体をうねらせて絶賛苦しみ中。

料理でいうなら「この上なく糞不味い料理」が主流派経済学者達の理屈と数式で出来上がったわけです。
こう言うと主流派経済学者はこう言います。
「改革が足りないからだ、グローバリズムは正しいんだ、リカードだ、ドーダコーダ」
糞不味い料理を作った上にまだ「メシマズアレンジ」を加えようと言うわけです。
海原雄山でなくても怒鳴り散らすところです(笑

料理の下手な人の大半に共通するんですが「レシピ(経験則と成功体験)通りに作らない」「やたらとアレンジしたがる」という事があります。
まったくもってこれと一緒で、数式と理屈でもって季節感や風土、文化、歴史こういったものを否定して経済を料理してりゃそら不味くなるというわけです。

日本は一度、経済を考える際に立ち戻らなければなりません。
高橋是清が残した好景気には金融引き締め、不景気には金融緩和と財政出動という成功体験や高度成長期の頃の分析。
しっかりと「過去においしく経済を料理」していたことを思い出さなければなりません。

過去に実践的に経済をおいしく料理していたあの頃に。

P.S
料理関係の話もちょっと(じゃないな…)出てきたので、一人暮らしでも出来る簡単な出汁のとり方を。
ご家庭でも簡単にできますので、是非ともお試し下さい。

1)冷水ポット2リットル(お茶とか冷やす奴、口が大きい洗いやすいものがベスト)に昆布20cmくらい(適当)と乾燥シイタケ1つを投入
※上品な味が好きな人は昆布だけでもOK
2)そのまま一晩、冷蔵庫で放置してから昆布としいたけを取り出す。
これで昆布としいたけの上品なお出汁の出来上がり。お手製ポン酢もこれで作れます。(出汁2、醤油1,塩適量、レモン汁)
※水出しの出汁は冷蔵庫で10日~2週間ほどもちますので、作っておくと超便利。

3)鍋に使う分の出汁を入れて沸騰させる
4)沸騰したらアクが浮くので気になる人はとって下さい
5)鰹節投入。すぐ火を止めたら10分放置で一番出汁。吸い物やおひたし等々にどうぞ。20分間弱火(面倒くさければ10分でもOK)で煮だす場合は蕎麦やうどん、そうめんつゆ、味噌汁向け
※鰹節は大体1リットルに一掴み(グワシッっとつかむくらい)
6)あとは適当こす場合はざるで、ちゃんとこしたい場合はざるの上にキッチンペーパーを敷いてこして下さい。

顆粒のほんだし等と違って、鰹の香りも良いですし味も全然違います。
なんとか手軽に出汁がとれないか?と試行錯誤で辿り着いたお手軽方法。是非ともお試しをw


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「学者では美味しい料理は作れぬ」のコメント一覧

  1. 1
    holyfirework 灯火  :

    日本人って、不思議なほど、歴史から学びませんね。いつも欧米の背中しか、見ていない。
    日本には、日本に合った経済成長の仕方があると思います。今こそ、歴史を学び、偉大な先人達に学ぶべきでしょうね。

  2. 2
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>灯火さん
    どうやら日本人だけではないみたいです。
    「歴史から学べるのは、人が決して歴史から学ぶことがない、ということだ。」
    とドイツの哲学者ヘーゲルの言葉です。

    なんともまぁ…絶望的な言葉を言ってくれるものだ…wという感じですw
    ただ日本に関して言えば欧米の後追いがひどい、と言うのは歴史からも納得させられる言葉です。
    都合の良い時だけ「欧米ではど~のこ~の」で、都合が悪くなると「・・・・」となる新自由主義者には飽き飽きですw

    明治でしたかに
    「散切り頭を叩いて見れば文明開化の音がする」
    とはよく言ったもので、決して文化ではなかった所に当時の日本人の心情が現れているような気がします。
    たしかコールリッジ(中野剛志著の「保守とはなんだろうか」に出てくる、19世紀だったかの保守論壇)は「文化を伴わない文明はいずれ衰退する」と論じました。

    もしかしたら、今の日本に求められるのは文化の再発見なのかもしれないなぁ…とかボーッと考えてます。

    そうそう、灯火さん及び皆様にもおすすめを。「社会主義の誤解を解く(著:薬師院仁志)」をソウルメイトさんにお勧めいただき、読んでみたのですが大変面白くて。
    歴史、人の思想の潮流、第一次グローバリズム、なぜ当時保守が社会主義を支持したのか等々。色々考えさせられる淡々とした学術本です。
    お暇な時にでも宜しければw
    (なんか私、読んだ本の伝道師みたいになってますねww)

  3. 3
    quent99 くえんと  :

    「読んだ本の伝道師」多いに結構ではありませんかw
    むかし書店業界の端っこに居た人間としては「マトモな本」が売れることはとても喜ばしいです。
    「社会主義の誤解を解く」光文社新書でしたか、今度購入してみます。

    「文化を伴わない文明はいずれ衰退する」
    分かるような気がします。文化は「感情や情緒」によって生み出されるもので、文明は「知識や理性」によって作られるもの、うまく言えませんが、自分はそう感じます。「理性のみに支配された人間は狂人と同じ」どこかでそんなフレーズを読んだことがありますが、「感情や情緒」を失うという事は人間性を失う事と同義ではないでしょうか。サイコパスと呼んで構わないのかもしれません。

    それにしても、此処に来ると癒されますなあ。
    コラムもコメント欄も真摯な内容で、お互いをちゃんと尊重している。ここには「文化」があります。
    やっと「呼吸が出来る」気がしますよw

  4. 4
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>くえんとさん
    どんどんコメントしてってくださいぉっぉw

    >やっと「呼吸が出来る」気がしますよw

    この言葉が大変に嬉しいです。
    私も2ちゃんねるやBLOGOS等々で書き込んでいたんですが、なんだか違うなぁと感じてました。
    今のブルーオーシャンの空気が、人が多くなってもこの空気のまま行けたらいいなと思ってますです(理想

    >理性のみに支配された人間は狂人と同じ」

    このフレーズは大変興味深いですね。感覚としてすごく「おお、きっとそのとおりだ!」と思います。
    そういえば「日本思想史新論(著:中野剛志)」の中でも合理主義とは「この世の何処かに絶対的に存在する理があるとして」信奉するようなもの、とか書いてました。

    ・・・あれ?やはり伝道師?w