イギリの産業革命に読み解く、経済と国民

本日は軽めのコラムということで、第一次グローバリズムにおけるイギリスの状況と、それに伴う国民をみていこうかと思います。

産業革命がイギリスで始まったのが18世紀半ばと言われております。
主に織機の改良や製鉄技術の工場、蒸気機関の発明によって急速な供給能力の拡大、という時期であったのだと思います。
そして一般的には「供給能力が拡大すれば、人々にものが行き渡るはず」だったにも関わらず、イギリスの急速に増えた賃金労働者は豊かとはほど遠い状態に置かれました。
一日に12時間の労働、低賃金、待遇の劣化などにより度々労働者の反乱というべき混乱も起きていたようです。

これは現在の資本主義(新自由主義)の原型とも言える現象だったのだと思います。
マルクスに言わせるとこうなるようです。
「資本家と賃金労働者は法の下では平等だが、立場的に平等とは程遠い。
労働も一つの商品とみなされて、資本家は好きにそれを買ったり捨てたりできるからだ」
というようなことを言っていたかと思います(うろ覚え

つまり労働が商品である以上、売り手市場(売り手不足)にならないと労働者の生活は改善しないのですが、0円で生活できる人なんぞいないので誰かが「こんな賃金で働けるか!」となると「んじゃ自分がやります」となるのだろうなと。
当時のイギリスは労働組合も、労働基準法も整備されておりませんから必然的にこのような悲惨な状況に、賃金労働者が置かれた歴史があります。

だからこそ、現代の法律では例えば「1日8時間まで、週に40時間」ですとか「最低賃金はいくら」というようなことが決まっているわけです。
これらは言い方を変えれば「国家が国民のために規制を作った」わけでして、これらを規制緩和していけば現代でも産業革命当時のイギリスのような状況になろうことは容易に想像ができます。

つまり何が言いたいかというと、新自由主義的に「やれ雇用の流動性だ」「やれ正社員は既得権益だ」ど~のこ~のというのは、間違っているんじゃないか?ということです。
少なくとも上記のような歴史がある以上、国家は国民を企業から保護するために「一定の規制」を設けなければならない、それがどの水準、バランスかと言う話になりそうです。

こんなことを言うとグローバリストからはだいたいこう言われます。
「グローバリズムは不可避な流れなんだ!」
1997年あたりから彼らは教条的かつ「国家主権」を否定した上記の言葉を蔓延らせてきました。
そして
「グローバルに闘うんだから、雇用規制も緩和だ」
「自由競争で世界に勝つために、規制を緩和して市場原理だ」
「市場はやがて均衡するから多分大丈夫だ(いつとは言わない)」

規制とは法律であり、国民保護のために使われるべきものだと思います。
つまり彼らグローバリスト、新自由主義者は一貫して「国民を保護するな」と言っているにすぎないわけです。

自由とは「必ずしもすべて善である」わけではありません。
国家が介入しない「自由な競争」とは単なる弱肉強食であり、ほぼ必ず「資本の大きい方」が勝つのが決まった「おおよそ公平とも平等とも呼べない」世界です。

と、本日もざっと思考をふわふわさせながら書いてみましたw
皆様の思考と議論の一助になれば幸いです。

P.S
ちなみに筆者は別に社会主義者というわけでもありません。
一体自分は何主義者なのか?と聞かれると答えに窮するのですが…日本を豊かにしたい主義者ということで(笑


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「イギリの産業革命に読み解く、経済と国民」のコメント一覧

  1. 1
    holyfirework 灯火  :

    全面的に支持します。
    経済を良くするためには、国民を豊かにして、消費を促進させなければいけないのに、国民を貧しくして、消費税を増税して消費を冷やせば、景気が悪化するのは当たり前です。

  2. 2
    Gokai  :

    >そして一般的には「供給能力が拡大すれば、人々にものが行き渡るはず」だったにも関わらず、イギリスの急速に増えた賃金労働者は豊かとはほど遠い状態に置かれました。
    >これは現在の資本主義(新自由主義)の原型とも言える現象だったのだと思います。
    >マルクスに言わせるとこうなるようです。
    「資本家と賃金労働者は法の下では平等だが、立場的に平等とは程遠い。

    マルクスは、その時ルサンチマンによる解釈を行ったのだと思います。
    以後その伝統は社会主義者たちに受け継がれてきました。
    だから、ルサンチマンは、日本においても正当に社会に受け入れられてしまい、日本人の心を堕落させてしまったかもしれません。
    (共産党員がこんなことを言ってはいけませんね、w)
    ところで、産業革命で供給力を増やし人々に物が行き渡るはずなのにそれが無かったのは、分配を受け持つマネーの量の方に不足にあったからだと思います。
    だが、マルクスはそのようにとらず、不平等によるものだと解釈してしまったのでしょう。
    それはマネーをふやす方法を思い付くことができなかった悲しさです。

    翻って現代は、簡単にマネーを増やすことが可能です。なぜなら現代は、マルクスの時代の何倍もの平等社会だからです。
    なのに国民はそれができないものだと思いこんでしまって、なせないのです。
    「為せば成る、為さねば成らぬ。成る業を成らぬと捨つる人の儚さ」・・です。

  3. 3
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>灯火さん
    全くもってその通りで、安倍政権は何をやってるのか…と溜息がでます

    >>Gokaiさん
    >(共産党員がこんなことを言ってはいけませんね、w)

    ここで盛大に笑ってしまいましたwお酒返してwwww
    確かこの頃は金本位制だったのでしたっけ?ちょっと調べてみます。
    お金(マネーストックですよね)を増やすのも、ソーシャルな存在の国、政府ですのでここらへんは少し考察してみたいなと。

    >>ALL
    今現在雨宮さんの「生きさせろ!」を読んでるのですが、読み進めれば進むほどに「あれ?現代日本の賃金労働者って産業革命のイギリスと変りなくね?」と思ってしまいます。
    一億総中流と言われた時代はもう既に「歴史の中に消えてしまった幻」とすら思わされます。

    どちらも読了後に「腑に落ちた時点」で書評を書かせていただきたいなと。

  4. 4
    まさ まさ  :

    >>Gokaiさん  マルクス解釈は譜に落ちないと僕も個人的には思っています。

  5. 5
    noranekoma のらねこま  :

    同感ですね。イギリス産業革命の頃に明らかになった資本主義における自由放任の弊害を、新自由主義で「堂々と復活」させようというのだから驚きますね。もしそれが「不可避な流れだ」というなら、怒った民衆によって再び共産革命が起きて資本家が皆殺しになっても「不可避な流れ」と言わざるを得ないと言ってやりましょうw。

    自由自由と言ってますが、個人の資本そのものも法律で守られているのであり、本当に自由なら窃盗の自由もあるわけです。つまりルールがあるわけですから、そのルールをどのように決めるかの問題であって、そのルールは拝金主義あるいは生産性最優先ではなく、多数の国民の支持を得られるものでなければならないと思われます。まあ、多数の国民が拝金主義で生産性最優先がいいんだーとなると、お呼びじゃないんですが。

  6. 6
    まさ まさ  :

    >>のらねこまさん  おっしゃる通りだと僕も思います。

  7. 7
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>まささん
    まぁマルクス・エンゲルス流に言うと、ということなんでしょう。
    私なんかは「ふむ、一理あるかも」という感覚ですが、それは人それぞれ感覚的には受け止め方も違うでしょうし。

    >>のらねこまさん
    >怒った民衆によって再び共産革命が起きて資本家が皆殺しになっても「不可避な流れ」と言わざるを得ないと言ってやりましょうw。

    我々は革命の闘士になるわけですなww
    まぁ度し難いことにネット空間ですら「安倍支持」の声が多い昨今ですから、お呼びがかかるには時間が必要かもしれないですね。

    21世紀が本当にあの頃のイギリスより「平等で公平な社会」と言えるのかどうか…ギミックが変わっただけで本質は同じなんじゃないだろうか?と最近頭を悩ませております。

  8. 8
    holyfirework 灯火  :

    >>のらねこまさん

    >もしそれが「不可避な流れだ」というなら、怒った民衆によって再び共産革命が起きて資本家が皆殺しになっても「不可避な流れ」と言わざるを得ないと言ってやりましょうw。

    たぶん、その時のための、死刑制度廃止論なんだと思いますよ。
    生きてさえいれば、お金の力で何とでもなりますからね。

  9. 9
    noranekoma のらねこま  :

    >>灯火さん

    >たぶん、その時のための、死刑制度廃止論なんだと思いますよ。
    >生きてさえいれば、お金の力で何とでもなりますからね。
    あはは、爆笑でしょうこれはw。
    なんかギャグアニメに出てくる、死んで地獄送りになってから、地獄の鬼に「おい、お前いくら欲しいんだ?」とか買収を試みるイヤな金持ちのキャラクターを連想してしまいます。

  10. 10
    noranekoma のらねこま  :

    >>コテヤン@どうやら管理人さん

    >21世紀が本当にあの頃のイギリスより「平等で公平な社会」と言えるのかどうか…ギミックが変わっただけで本質は同じなんじゃないだろうか?と最近頭を悩ませております。
    う~ん、本当に考えさせられます。確かにその当時よりは労働者の生活は遥かに良くなっていますが、それが(努力と成果に応じた)公平で平等な社会なのかは悩みますね。暴動が起こらない程度にコントロール(洗脳)されているだけなのかも。少なくとも「一億総中流」だった頃の日本の方がまともだった気がします。

  11. 11
    コテヤン@どうやら管理人 コテヤン@どうやら管理人  :

    >>灯火さん
    ・・・それは当たってたら洒落になりませんねぇ。

    >>のらねこまさん
    そうなんですよね。雨宮処凛さんの「生きさせろ!」を読んでるんですけど、暗鬱な気持ちになってしまうご著書です。
    現代社会の非正規やフリーター、ブラック企業や過労死等々を書いておられるのですが、いやぁもう本当。考えさせられっぱなしです。